コクリツは今日も雨だった/第28節 vs.鹿島

シーズンも終盤に差し掛かっての好調同士の戦い。
優勝を争う上位3チームがどこも突き抜けた強さを見せないため、じわじわと勝ち点を重ねてACL圏内、あわよくば優勝も……ということで、マスコミはこぞってこの対戦に注目した。
我々応援する者にとっても、「ここが今季の大一番」という気持ちは強かった。

しかし鹿島は、完璧なまでに上昇気流に乗る最近の東京のサッカーを研究してきた。
直近の大宮戦でハットトリックを決めたルーカスに対しては中田浩二がぴったりとマンマークに付く。
攻撃では東京のちょっとしたミスを逃さずボールを奪ったら速いカウンターで善戦まで攻め入り、これまたディフェンスの一瞬のスキをついてスピーディに、そして的確で正確なシュートでゴールネットを揺らす。

ここで勝てれば、今まで見えそうで見えなかった世界が目の前に広がる。
そんな淡い期待を抱いて対戦するときの鹿島は、いつも巧くて強かった。
そして今回もまた今までと同じように、まんまとしてやられてしまった。
残念だが、まだ力が足りなかったということだ。悔しいが事実は変わらない。

朝イチ9時半の列整理から夜7時のキックオフまでは長かったが、退屈ではなかった。
8月の鳥栖戦以来の現地ということで、このたっぷりある時間は至福のとき
外苑西通りを歩いて10分の新宿区立四谷図書館へ行き、新聞各紙や読みたかった雑誌記事を読み漁る。
そして午後3時半すぎに再び待機列に戻る直前には、読まずにおいたサカマガ、エルゴラに目を通し、モチベを上げていざ出陣! という黄金のスケジュールで時間を過ごした。

仕事を終えてきた相棒Wと合流し、やみそうでやまない霧雨の降るゴール裏に座席を確保。
気温が低かったけど、試合前にはちゃんとビールを飲んで応援態勢を整える。
わずかひと月半だが、自分としては久しぶりの現地観戦ということで、試合終了まで飛ばして声を張り上げた。
遅ればせながらサマーライオンデビューを果たしたものの、不敗神話は途絶えてしまった。
選手は最後までよく戦っていたが、期待が大きかったぶんだけ無念さもまた大きかった。

試合後、トニーニョセレーゾは「このクラブは面白いサッカーよりも、勝つサッカーをするために創設された」と息巻いた。
しかし、そこまでの道のりの長さやアップダウン、曲がり方はチームによって違う。
東京は東京なりの速度で強くなるための坂道を登っていき、そしていずれは頂上にたどり着く。
よーし、東京は「勝つ」だけじゃなくて「面白い」も加えてやろうじゃないか。見てろよ、トニーニョセレーゾ
連勝が途絶えようとも、何も変わらない。次節からも今までと同じように東京を応援するのみである。

当たり前のように見慣れている国立競技場だが、朝の列整理のときから少し自分の感覚が違った。
それは「このスタジアムでずいぶんたくさんの試合を観てきたなあ」という思いがあるから。
サッカーだけじゃない。一昔前にはラグビーの試合にも、よく足を運んだものだ。
ここで喜怒哀楽さまざまな感情を味わった。スタンドから望む新宿高層ビルの眺めが大好きだった。
なーんて、こんなところでセンチメンタルになっているガラじゃない。また来るぞ、来年元日にきっと!

☆☆★★★★☆☆☆△★☆★★△☆☆△☆△★△★☆☆☆☆★

【J1第28節】東京1-4鹿島
2013年10月5日(土)/国立競技場/19:04キックオフ/[観客30,673人]
得点:前半6分遠藤康(鹿)/前半9分ダヴィ(鹿)/後半22分小笠原満男(鹿)/後半36分大迫勇也(鹿)/後半38分平山相太