悲劇はまたもやCKから/第11節 vs.浦和


埼スタでのアウェイ浦和戦には2002年に開場して以来、ずっと通っている。
それが今年はチケット発売日に出遅れてしまい、復活のタイミングも逃してビジター自由は売り切れで手に入らず。
仕事の予定もはっきり分からないし、今回は見送るかなと思っていた。
ところが2日前に休めることが判明したので一気に予定を変更し、MU(メインアッパー)指定席の南側へ行くことにした。

メインスタンド上層から見下ろすピッチは、まさにテレビの世界。
いつもの居場所であるビジター自由席を見ると、昨年までよりも緩衝地帯の位置がゴール裏のセンターに寄っている。
珍しく? 浦和フロントがアウェイ席の枠を広げてくれたようだ。

MU南側付近の座席には東京ファンと浦和ファンが五分五分に交じって座っている。
まるでふた昔前のラグビー試合のスタンドのようで、おもしろい。
東京応援者の多くは自由席のチケットが手に入らず、仕方なくここへ来たぞ、という感じ。

一方の浦和応援者たちについては、「どうしてわざわざ東京のビジター自由席が近い位置を選んだのだろう」と考えてしまった。

この位置に座る赤い人たちの多くは試合が始まって浦和が攻勢の場面でも声を上げるでもなく、落ち着いて観戦していた。
対戦相手の応援する声を間近で聞くことによって、内なる闘志をメラメラ燃やすタイプなのかもしれない(本当か!?)。

2004年以降、このスタジアムからの帰り道の気持ちは、いつも悔しさと虚しさでいっぱいだ。
02、03年に勝った時にはおそらくニコニコ顔で帰ったのだろうけど、そんな記憶はとっくに失ってしまった。
昨年、リーグ戦では久しぶりに浦和を破ったが、アウェイでは10年間ずっと勝っていないのだから、覚えていないのも無理はない。
毎度毎度「今日こそは絶対に勝つ!」と気合いを入れて応援するが願いは叶わず、そして今年もまた同じく無念の結果に終わってしまった。

いつものゴール裏の席ならば試合終了の笛が鳴ったらとっとと脱出し、脇目もふらずに浦和美園までの一本道を早歩きするところ。
これが埼スタ浦和戦での恒例のパターン(「恒例の」というところが情けない限りでありまして)。
しかし今回は高い位置にあるMU指定席からドヨ〜ンとした気分で長い階段を下り、勝利の喜びに酔いしれる赤い波に溺れそうになりながら帰路についた。

前置きが長くなってしまった。
試合は後半終盤に「そろそろヤバいかも」と思ったCKを、その悪い予感通り阿部にヘッドで決められ、最少失点0-1での負け。

東京は前半、基本的には守備的に試合を進め、浦和にボールを支配される時間が長いものの、決定的なシーンには至らせず、という流れが続いた。
後半は序盤から東京が攻める時間が続き、徳永のバー直撃シュートなど惜しい場面も。
しかし浦和のディフェンスが昨年以上に堅く、崩せなかった。
「決めるとき決めていれば結果は違っていたかもしれない」という、おなじみの言葉が当てはまる試合だった。

全体的にはほぼ互角の内容。
しかし、巡ってきたチャンスを確実に生かし先制点をあげて勝つか、最低でもスコアレスドローで終えなければいけなかった。

……と、客観的に評して感想を終わらせるのはカンタンなのだが、やっぱりそれだけじゃ収まりがつかない。
それでも過密日程だから中2、3日の短いスパンで次の試合がやってくるので、気持ちは切り替えやすい。
選手は疲れが取れず大変だろうけど。

守備については順調に成長しているのは間違いなく、メンバーが1人、2人替わっても流れの中では失点の恐れが感じられなくなってきた。
問題のセットプレー時については、今以上にメンタルを集中させることだろうか。
攻撃はエート……パターンが少ない、疲れもあるのだろうけどカウンターが遅い、シュートの精度が低い、などいろいろある。
しかし稚拙な表現ながら一言でいうなら、「ボール持ったらがんがん攻めてシュート打て!」ということに尽きる。もちろん枠内にね。
今は誰よりも千真に1点決めてもらいたいと願っている。

早くも明日はホーム味スタでの大宮戦だ。
油断することなく、相手監督の大声に心を乱されることなく、なんとしても勝ち点3をゲットして気持ちよくGWを締めくくりたい。

マッシモトーキョーはまだ基礎工事の段階。
わざわざ監督を替えて戦術をシフトチェンジしたのだから、わたし待つわ、いつまでも待つわ。
順位? 今年もJ1はダンゴ状態だしどうってことないぜ、秋風が吹く頃に笑っていればいいじゃん。
そんなもん、気にせんといこっ!