ナビスコ? あきらめるにはまだ早い

梅雨入り近しを感じさせるような、どんよりした空模様が続く。
まるで東京を応援する人たちの最近の気持ちそのままではないか……と、ついつい斜め下向きになりがちな今日この頃である。

リーグ戦のガンバとの試合では3-0の快勝に大いに喜んだが、その試合の模様を書く前にナビスコ清水戦に敗れ、さらに同じくナビスコでガンバにも黒星を喫した。
これでナビスコのグループリーグからの勝ち上がりはかなり厳しくなってしまった。

ただ負けただけではなく、内容がかなりよろしくない。
これが少しばかりしょぼくれた気分にさせる。
こんな事態は過去に何度も経験しているし、「いいかげん慣れろよ」なんだけどね。

こんなとき、よく思い出すのがケン・ローチ監督の映画「エリックを探して」だ。
ご存じの方も多いだろうが、エリック・カントナ自身も出演しているサッカー絡みのヒューマンドラマ。笑って笑って、最後にジワッとくる大好きな映画である。
まだご覧になっていない方はぜひ。とくにストレス過多の東京応援者にはオススメする。

主人公は生粋の熱狂的マンUファンで、順風満帆だった人生が途中からうまくいかなくなったしょぼくれ中年男。
この映画を観て以来、ときどき自分をこの主人公と重ね合わせ、何となくその気になっては「よし!どうにかなるさ」と気分を切り替えることがある。
口には出さないけど、案外多くの人が採り入れている発奮方法ではないか。
今回もそろそろこのパターンを使い、しょぼくれた気分から抜け出す場面がやって来たようだ。

映画の中でしょぼくれ中年男に対し、男にとって憧れの選手であるカントナはこう励ます。「仲間を信じることだ、どんなときも」。
いいねえ、こんなセリフを憧れの選手から目の前で言われたらシビレてしまいますな。
予告編の最後に流れるコピーがまたいい。
“人生なんて 意外に小さな勇気で変わるもの”
うんうん、実にそうなんだよなあ。


ところで話は変わり、再びナビスコのことを。
東京が休みの明日に行われる他チームの結果次第では、まだ準々決勝進出のチャンスがわずかに残されている。
鳥栖対清水で鳥栖が勝ち、神戸対鹿島はドローに終わる。
そんな奇跡が運良く実現することを願い、久しぶりに「他力本願寺」の信徒になるとしよう。