ドロー。ならぬことはならぬもの/ナビスコカップ vs.大分

吉祥寺・クロスバーでテレビ観戦。
ナビスコカップは大好きなタイトルだ。
暑くもなく寒くもない秋晴れのコクリツでの決勝は二度体験したけれど、1週間前からわくわくするものだ。
あの感覚を今年も味わいたい。
だから、決勝トーナメント進出の可能性をかなり厳しくしたきのうの結果は、とても残念だった。

この大分戦は絶対に勝たなければいけないことは、当然選手も分かっていたのだろうけど、ドローという結果には不満が残った。
負けは断じてならぬ、ドローもダメ。「八重の桜」の中の会津藩の教えじゃないが、「ならぬことは、ならぬもの」なのだ。
実際にはほんのわずかに可能性が残されているのだから、まだ諦めちゃいけないのだろうけど。

今季の公式戦全試合で失点を許している大分は、攻撃は二の次とばかりにがっちりとブロックをつくっていた。
崩すためにいろいろ工夫をしているのは見えるのだけど、ミスだったり、連係のまずさが目立った。
そんなことを繰り返してばかりで得点が決まらないと、時間を経過するうちに体も頭も疲れてくる。
観ている方も「アー」とか「ウー」の苦しい声が多くなった。

試合後のポポや選手のコメントを読んでその通り、おなじみのスパイラルにはまり、勝てなかった試合。
シュートの精度の低さ、パスミス、コンビネーションの不徹底が多く、相手を楽にしてしまっていた。
久しぶりに先発した選手には、もう少し気迫を見せてほしかった。

カツオの一本釣り漁業で魚影の群れに直面した漁師のごとく、「さあいくぜっ、ここでやらなきゃいつやる!」という意気込みで好結果を出してもらいたかった。
試合前には大音量で北島三郎の「北の漁場」でも聴いて、思いっきり気分を高揚させてからピッチに出ていくのはどうだろう。
ホーム試合であれば選手入場時のBGMとして流すとか……ダメですね、はい。

その中でも河野は時間の経過とともに試合になじみ、ならではのドリブルもキレを見せ始めたのだが、矢先に交代させられたのは残念だった。
後半の河野には、大漁めざしてマグロとの勝負に挑む漁師の顔がダブった(これはヨネや加賀にも感じるのだが)。
今後に期待したい。

「俺のナビスコをどうにかしてくれ!」などとウダウダと言っていても仕方ない。
東京としてはまだ残り1試合、5月15日の新潟戦で勝利し、あとは他力本願で運を天にまかせるのみだ。
その前に今週土曜の川崎戦をはじめとした今後のリーグ戦で、名古屋戦のいい雰囲気をさらにパワーアップしていこう。

ヤマザキナビスコカップ Bグループ第5節】大分-東京
2013年4月24日(水)/大分銀行ドーム/19:00キックオフ/[観客4,623人]
得点:なし