連敗脱出の立役者はキング・ルーカス!/第7節 vs.名古屋

日中は仕事だったため、夜に帰宅してからMXテレビ中継の録画観戦。
観るまでに試合結果を知らずに通すという悠長なことは性格上できるはずもなく、夕方には速報でうれしい連敗脱出の勝利を知った。
いやぁ、よかったよかった!

エルゴラではMOMに森重を挙げていたが、たしかに久しぶりに果敢に攻め上がる姿を見た感じ。
ポポには「やみくもに上がるのは避けろ」と釘を刺されていることが影響してかしないか、どうも今シーズンのモリゲはおとなしいなと思っていた。
おとなしいばかりか、全体的に何か萎縮してしまっている感じもあり、攻撃的プレーはおろか、本職の守備まで調子がくるっていた。

そんなモリゲだったが、今回はPK獲得につながった一連の攻撃的プレーに加え、守備についても激しく厳しい「らしい」プレーが見られた。
モリゲと同じ印象は秀人についても感じられた。彼が本来得意とする、顔に似合わぬ激しいチャージを取り戻しつつあった。
先週火曜日に小平へ練習を見に行ったときは4連敗のネガティブ感を引きずっていたのか、「監督以外はどうも全体的に静かで、覇気や闘志に欠ける」と感じていた。
しかしどうやら、その後連日の練習の中で相当みっちりと鍛え上げてきたのだろうか、この名古屋戦では選手の動きが時間を追うにつれて良くなっていた。

自分が選ぶMOMはルーカス。存在感が際だっていた。
今までJで蹴ったPKで唯一外したときのキーパーが楢崎だったそうだが、この試合での2本は落ち着いて決めていた。
いや、1本目は完全に読まれてボールに触られていたし、少し緊張している感じだったかな。
いずれにせよ、そのPKだけでなく出場時間を通して「絶対に勝つ!」という気迫がみなぎっていた。
後半の遅い時間に平山と交代したときにも、周りの選手たちに「後は任せた!」という強い意志を込めた表情を振りまいてピッチをあとにしていたのが印象的。

ルーカスは在籍選手の中でも最年長。
ブラジル人ながらも、途中ガンバに移籍していようとも、東京のことをよく知っているし、愛してくれている。
苦境に立ったときにはベテランの力が果たす役割は極めて大きいものだ。
名古屋戦のルーカスを見て、つくづく再認識させられた。
たとえコントロールが効かなくなったレフェリーによって試合を壊されそうになろうとも。

最後に、田中マルクス闘莉王様に御礼を。
貴方はいつもいつも東京ファンサポーターのハートに火をつけてくれますなあ。
これだけ永きにわたり怒らせてくれたり笑わせてくれたりしてくれれば、浦和時代にゴールを決めた後に東京ゴール裏に向かって中指を立てたとき以来抱いていたかつての嫌悪感は薄れ、今やミョーな親近感すら芽生えつつあります。

今回見せた機敏な反射神経に基づく左手でのワンハンドレシーブ、実にお見事でした。
レフェリーの立ち位置や技量を判断しての行為であれば、なおさらのことです。
あのファールが見逃されたことにより、ただでさえ“連敗脱出”に意欲満々だった東京の選手たちの闘争心をさらに燃え上がらせてくれたんですから、感謝の念に堪えません。

試合翌日・日曜のスポーツ紙に載っていた試合後の千真のコメント、
「試合中、闘莉王さんに“あれ、ハンドっすよ、審判によっては一発退場っすよ”って言ったら“倒れながらだったら大丈夫”だって言ってました。絶対に勝ちたかった」
これには大いに笑わせてもらいました。漫才かいな。
貴方は間違いなく、いつまでも記憶に残る選手の1人です。
これからも容赦なくブーイングを浴びせることのできる対象でいてください。

☆☆★★★★☆

【J1 第7節】東京3-1名古屋
2013年4月20日(土)/味スタ/14:04キックオフ/[観客16,804人]
得点:前半30分ケネディ(名)/前半45分+4分ルーカス(PK)/後半6分ルーカス(PK)/後半14分渡邉千真