平山の826日ぶり弾はおあずけ/ナビスコカップ vs.名古屋

実はあの寒かったマリノス戦のあと、風邪をひきそうでひかない微妙な体調が続いていた。
そんなもので、朝起きて前日から降り続く最近にしては強い雨を見たとき、「今夜味スタに行ったら悪化するかもしれない」という弱気の虫が頭の中を横切った。

しかしトーチュウの「平山 狙う826日ぶり弾!!」という魅惑に満ちた見出しに加え、土曜日の大宮戦は仕事のため不参戦が確定していること、さらには午後3時頃に雨がやんだことが背中を後押しし、簡単に行くことを決定した。
こうなると行動は早い。今日やるべき仕事は済ませ、やらなくてもよい仕事は明日に回すことにして、先発メンバー紹介のちょいと前、ゴール裏に駆けつける。

闘莉王率いる、じゃなかった、ピクシー率いる名古屋とのナビスコスコアレスドローにて終了。
東京は前線がいわゆるサブメンバー主体の先発なのに対し、名古屋はほぼガチガチのレギュラー選手で固めてきた。
それでも東京はクオリティの問題こそあれ、自分たちのサッカーをそれなりにできていたと思う。
ただし平山・草民・ネマ・河野の4人が揃って公式戦の感覚を取り戻していないというか、プレーが中途半端な感じ。イージーなミスも目立った。

ミスはともかくとして、せっかくのチャンスなのだからもっともっと自分の長所を活かし、思い切りのいいプレーをしてもらいたい。
抽象的な言い方になるが、それは決して個に走れという意味ではなく、あくまでもバランスとコンビネーションを第一に考慮した上での話なのである。

ポジションの違いによる役割こそ違えども、この試合で抜群に良かった米本のプレーこそがまさにそのイメージ。
今年の東京は選手層が厚いので、レギュラーポジション奪取のためには出場した際に存分に活躍して結果を出してもらいたい。
ポポはきっとこのあとのナビスコでも、サブメンバーに先発のチャンスを与えるだろうから。

それでもこの試合、なんだかんだ言いつつも面白かった。
ひさびさに“東京らしい”試合を観た、という感じ。ある種ノスタルジーにも似た感覚で。
決めるべきところを決められない、時間の経過とともに運動量が目に見えて落ちる、不注意なミスからピンチを招く、さらにラッキーチャンスを活かせられない(今回は最後のPKがそれ。でもありゃ東を責められないよね)……etc.

「面白かった」というのは揶揄ではなく、素直な感想なのだが、やっぱりこれでいいわけじゃない。
これまでさんざんこういう残念な東京のサッカーを観てきて、「ウ〜ム」と首をかしげることが多かったわけだから。
やっぱり早く「華麗にして勝つパスサッカー」を定着させ、このスタイルを“東京らしい”と思えるようにならないといかんのでしょうね。


ヤマザキナビスコカップ Bグループ第3節】東京0-0名古屋
2013年4月3日(水)/味スタ/19:04キックオフ/[観客 9,900人]
得点:なし