MOMは米本/第2節 vs.柏

昨年の最終戦以来の飛田給を下りると、駅前には「ひさしぶり!」と挨拶を交わす人がたくさんいる。
普段はなかなか会うことがなくても、ここに来れば小学校の同窓会に近い気持ちになれるんですね。
それも老若男女関係なく、チーム状態や試合内容によってニコニコしたり、へこんだ気分になったり。
味スタに着くとズラ〜ッと並ぶ長い待機列。花粉のかゆみはしばし忘れてしまいました。

リーグ開幕戦で大分には、圧倒的にボールを支配して逆転勝ち。
相手に先制されても慌てず騒がずという感じで、この辺りに進化を感じました。
さて、では優勝候補とも言われる柏を相手にどう戦うか。
この試合のポイントは、東京守備陣の集中力でいかにして柏の猛攻を凌げるかどうかにある、と思っていました。

柏にボールをもたれている時間が長いだろうが、守り抜く中で生まれた好機に得点して勝利!
こんな展開をシミュレートしていたのでありますが、この読みはハズレ。柏には猛攻までにも至らせませんでした。
この立役者はすでにあちこちで絶賛されているとおり、米本・高橋のダブルボランチ。この試合では特にヨネですね。

あんなに足がよく伸びるヨネを見たのはデビュー年以来か?
危機をいち早く察知するや、すばしっこく近寄り、激しくチャージしてボールを奪い(あるいは攻撃を遅らせ)、守備から攻撃へ流れをつなげていきました。
まるで早稲田大学ラグビーで有名な「展開・接近・連続」理論のよう。
今後も期待大ですね。すばらしい。ブラボー!

早い時間に千真が先取制点を奪ったのも、試合運びをずいぶんと楽にしました。
今年の千真は容赦なくゴールを奪いにいく姿勢が感じられます。
東京に移籍して2年目。ポポのサッカーを理解してきたのでしょうが、「やっちゃるけんね」みたいな意気込みがこちらにもバチバチと伝わってきます。

2試合を終わって途中出場でまだ無得点のリ・リ・リ・リ・リ忠成もますます闘志を燃やしてるだろうし、トーチュウ号外のヨネとの対談で笑わせてくれた平山先輩も練習試合ではゴールしまくっているようです。
FWだけではありませんが、こんなに高いレベルで激しいポジション争いを繰り広げているのは、これまでこのクラブでは記憶にありません。
思うように試合に出してもらえずとも、まだシーズンは始まったばかり。
クサらずに「俺のプレーを見てくれ!」という気持ちを強く持ち続けてもらいたいです。

とてもあたたかく、明るかった飛田給までの帰り道。
仲間と立ち寄った飛田給の庄やは満員で入れず、西調布の養老乃瀧もほぼ満員だったが、どうにか空いていた1席でグビッと飲んだ生ビールのうまいこと。
開幕2連勝。昨年は3連勝でその後じわじわ下降線をたどりました。
「昨年とは内容が違う」というのが、2試合終わっての素直な気持ち。
この場合の「違う」はもちろん進化ととらえています。

今日は3月11日。2年たっても、なかなか前に思うように進めないのが被災地の実情です。
福島県浪江町に家があったいとこも、まだ仮設住宅住まいが続いています。
飼い主を失った犬と猫を集めて世話をする福島県郡山市のボランティア施設にしばしば参加している友人は、「福島ユナイテッドというサッカークラブがあるんだね。街頭で応援している人たちが一生懸命ビラを配っていたよ」と話していました。
復興への道は険しく長いですが、サッカークラブの存在が県民の希望の光になるはずです。

「絆」「がんばろう」「元気を与えた、もらった」という時期を経て、つぎに何を考え、どんなアクションを起こしていくのか。
やっぱり、たとえ小さいことでも自分たちができることをやり続けていく。これに尽きます。
いくら景気が上向こうとも、政治家は復興を急いで進めるむ気もなさそうだし、我々一般庶民がこつこつとやっていかなくてはいけませんね。

☆☆

【J1 第2節】 東京3-0柏
2013年3月9日(土)/味スタ/14:04キックオフ/[観客 26,256人]
得点:前半6分渡邉千真/前半28分渡邉千真/後半33分長谷川アーリアジャスール