負けて強くなれ/vs.北九州

仕事を終え、吉祥寺駅の改札から小走りでスポーツバーに入るとすぐ、耳に飛び込んできたのは「FC東京いよいよ苦しくなってきました」という実況アナウンスの声。
買ったビールを受け取りすぐにテレビ画面を観ると、すでに時間は89分、スコアは0-1で北九州がリードしている。
そして4分後、ビールジョッキに一度しか口をつけぬうちに長い笛が鳴った。

試合が終わった瞬間、店内を埋め尽くしていた東京ファン・サポが一気に去っていく。
ガラーンとした中で試合のハイライトを観た。
流れとしては、①東京は押していた②梶山がPKを失敗した③北九州選手にミドルのナイスシュートで先制点を許した④その後の東京は猛攻するもゴールを奪えず、北九州は1点を守り抜いて勝利。
ハイライトからささやかに分かった試合内容はこんな感じだった。

その後あちこちから聞こえてくる詳細な内容報告によると、北九州の攻守にわたりすばらしい集中力だったとか。
J2時代の東京が、天皇杯で格上相手に立ち向かう時のようなモチベーションの高さと評する声もあった。
J2時代の東京をじかに観たわけではないのだけど、大体想像はつきますな。
Jリーグ初年度の昨シーズン1勝のチームとは思えぬ急成長パワーに、敵地でしてやられてしまったか。

さて東京だが、この敗戦をもってして「まだまだ強くなってJ1に復帰する力は身についていない」と考えることはない。
それは当たり前だし、今回のような試合を経ることで再び気持ちを引き締め、修正すべき点は修正してさらに強くなっていくのだから。
無敗どころか昨年の柏の2敗を上回る3敗目を喫したが、そんなことは何も気にすることはない。

いまのJ2の上位混戦状態はまだしばらく続くだろう。
今回の北九州もそうだが、上位各クラブは日々成長しているのでなかなか負けない。
東京はそう簡単には独走態勢に入れないだろう。
ぶっちぎり昇格はカッコイイが、これまでの東京に不足していたものを身につけるためにも、このタフな混戦状態は大いにためになる。
試行錯誤しつつも優勝してJ1復帰を決めたなら、きっとそのときには心技体すべてが相当強くなっているはずだ。

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【2011 J2 第23節/本城/6,909人】 北九州1-0東京 [得点者/後半59分池元(北)]