予定より早く? 首位奪取/vs.岐阜

仕事を終えて神楽坂から東西線で九段下へ。都営新宿線ホームに移動し、やはり仕事帰りの古くからの観戦仲間Wと待ち合わせて笹塚行きに乗車。
笹塚で京王線下りの各停に乗り、明大前で降りて特急か準特急に乗っていざ飛田給ユルネバまでには味スタ到着のはずだったのだが、凡ミスが発生した。

仕事を終えてサッカーへということで、テンション上がり気味であれこれ東京の最新事情を話しているうち、「あ、明大前ですよ」とWにつつかれて慌てて降りたが、どうも様子が違う。そこは明大前のひとつ手前の代田橋駅だった。
本来乗るはずだった準特急が目の前を猛烈な速度で通過していく。まったくもう、マヌケとしか言いようがない。トホホである。

そんなことで飛田給に着いたのは18時20分頃、それでも焦らずゆっくりと歩いている東京ファンが結構多い。こういう人はキックオフに間に合わなくてもいいんでしょうな。
我々はそうはいかない。競歩のような早足で向かう。

甲州街道の歩道橋をわたるまでに、49番のレプリカユニを2人見かける。もう買ったんだね、早いっ!
ゲートを入ったあたりでユルネバを聴く。うーん、間に合わなかった。残念。
コンコースではゼッケン10のユニを着てメイン席入口付近へ向かう土屋礼央氏を発見する。何か気の利いた言葉のひとつでもかけたかったが、それどころじゃないので先を急ぐ。

もう一人の仲間・Uさんに取っておいてもらったゴール裏上段の座席に着くやいなや先発選手のコールが始まり、すぐに試合開始。
我々が着く前にすでに1人で飲んでいたらしく赤い顔のUさん、早足歩きで全身汗だくのWととともに、取り急ぎ恒例の必勝祈願のビール乾杯を行う。

てなわけで、バタバタと非常に落ち着かない感じで始まった岐阜戦。
熊さんは前節のドローやルーカスのメンバー入りとも関係なく、このところの数試合と同じスタメンを組んできた。負けていないし、内容に大きな問題があるわけでもないので、これでよいだろう。
権田はこのところずっとサブだが、この経験は今後のプロ人生できっと生きてくる。老婆心ながらポジティブな気持ちを保ってもらいたい。

4得点の口火を切った徳永のゴールはすごかった。
右SBの徳永がセンターから左サイド寄りをド迫力のドリブルでゴール前まで切れ込んでしっかり決めるなんて、今後そうそう見られそうにない(なんて言っちゃいけないよね)。
調べてみたら、徳永は特別指定選手時代を含め昨年までの7シーズンで挙げた得点は2。やはりとても貴重な場面に居合わせたというわけだ。
こりゃ運があるかな、サマージャンボ宝くじでも買おうかな(笑)。

セザーの2点目は得意の形からだったが、ああいうのをきっちり決めてくれると本当に頼もしく感じられる。
完全にチームにフィットしてきたし、ルーカスという兄貴分を得てますます活躍が期待できそうだ。
草民もナイスゴールだった。
最近は得点こそないものの、2列目としての働きはまずまずこなしていた。
しかしやっぱりゴールを決めてくれるとグッと株が上がる。
チーム内ではスタメン争いが熾烈なポジションだけに、意義深いゴールだった。

そして後半31分、満を持してルーカスが登場し、スタンドからは“ルカルカルカルカ”の大合唱。みんなルーカスのことが大好きなのだ。
ワンタッチパス、ゴール前へのフリーラン、何をしても千両役者のオーラが漂う。
エリア内でセザーが倒されて得たPKにもやはり“ルカルカルカルカ”が始まったが、これに乗ることはなく、しっかり当事者のセザーが決めて4点目。
さすがだよ、ルーコン。これからが楽しみだ。

と、ゴールに絡んだ場面ばかり目が奪われてしまいがちな試合だったが、他の選手たちもしっかりそれぞれの仕事をほぼ問題なくこなしていた。
細かく言うなら、カウンター攻撃を受けるきっかけとなるパスミスなどは、やはりある。
カウンター一発狙いの場合、一瞬の間違いで決められてしまうこともあり得る。それでも1失点は1失点だ。

今の東京ならば、1失点を凌ぐだけの攻撃力があるので心配ないとは思うが、けっして油断はできない。
ここからも相変わらず一戦一戦こつこつと勝ち点を重ね、2位以下を引き離していきたいものだ。
首位に立ったのは気持ちいいこと。しかしまだまだ通過点にすぎない。
無理して、あるいはカッコつけて謙虚を装っているわけではないが、現時点では腹の底から喜ぶ気にはなれない。

一方、4-0の勝利を大いに喜んだのは一緒に観ていたWだった。
Wのスタジアム観戦はホームゲームだけで、しかも3試合に1回ぐらいのペースなのだが、かわいそうなぐらいに昨年来東京の勝ち試合に恵まれていない。
まあ昨シーズンのリーグ戦はホーム1勝のみなのだから無理もない。
今シーズンは開幕の鳥栖戦でひさびさの勝利を味わったWだが、それ以降5月の観戦機会ではことごとくドロー。
その後の6月の勝った徳島戦、鳥取戦は欠席だったから、この岐阜戦の大勝は本当にうれしかったようで、試合後はかなり満足顔だった。

応援するチームの勝利を心から喜ぶ。
こんなふうに素直に感情を表現をする姿勢は、人としてとても大切なことだと思う。
しかし自分が東京の勝利でWのようになるのはもうちょい先、J1復帰が決まったときになりそうだ。こんな観戦姿勢は今シーズンだけにしておきたい。
その代わりと言ってはなんだが、なでしこのW杯優勝は心底うれしくて仕方なかった。本当によかったよかった。

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【2011 J2 第21節/味スタ/ 17,183人】 東京4-0岐阜 [得点者/前半22分徳永・後半7分田邉・後半30分ロベルトセザー・後半35分ロベルトセザー]