久々のスコアレスドロー/vs.大分

神楽坂の仕事場から吉祥寺へかっとび、店に着いたのは前半34分。
店内は大混雑、いいポジションに立つことは不可能だ。
首が痛くなるのを覚悟し、顔を上に向けっぱなしになる画面の真下付近で我慢することに。
今シーズンは昨年までより混雑しているのは、やっぱりアウェイの遠さによるものなのだろう。

今季の相手の中では一番と思えるほどドン引きに終始する大分を崩すことはできなかった。
スコアレスドローに終わった最大の要因は、大分の集客3万人キャンペーンによる大観衆の熱気だったと思っている。
目標には達しなかったとはいえ、この日の観衆2万7千人は今年これまでのJ2では2番目の大入りとか(ちなみにトップは5月の味スタ東京ダービー)。

いくら入場料無料だろうが何だろうが、ゴール裏はビッシリ満席、テレビで観る限りバックスタンドもかなり埋まっている。
これだけ客が入ったら、選手の集中力は高まって当然だろう。
徹底的に守りに重点を置いた大分の戦い方は、ホーム大観衆の声援を受けてさらに磨きがかかっていた。
「きょうはお客さんの拍手を受けて、いつも以上に張り切っております! さらに拍手をいただければ、もっともっと頑張ります……」
という曲芸の染之助・染太郎の名ゼリフそのままである(古い例えですんません)。

そのうち東京の選手も疲れちゃった様子で、セザーなんか、早々と肩で息していた。
1年間に新潟にいたとはいえ、蒸し暑い日本の夏はやはり相当身体にこたえているのではないか。
夏本番となり連日ここまで暑いと、選手の肉体的な疲労と負担が上昇してくる。
こうなると本来のパフォーマンスは厳しくなるし、何よりも怪我が最も怖い。

ドローが悪かったわけではない。連勝はいつか止まるものだ。
ただし大事なのは「つぎの試合で同じことを繰り返さない」ということ。
ここにきて少しずつ上昇気流に乗り始めた東京だが、4月・5月頃の低迷期とは次元の異なる課題が出てくるかもしれない。
暑い時期、ドローで上等の構えでドン引きサッカーでくる相手に対し、いかに攻略し、得点していくか。
基本的に今のパスサッカーで悪くないが、プラスαの工夫や発想のマイナーチェンジが必要になってくる。

多彩な攻撃パターン、有効な選手交代、積極的なポジションチェンジ……などと、外野からあれこれ言うのは楽チンだ。
プロの監督だもの、そんなことは当然考えていると思いたい。
とはいえ1試合ごとに少しずつでも具体的に進化していかなければ、レベルアップしたチームの多いJ2で昇格圏内に居続けることは想像以上に簡単ではない。
連勝がストップして次節には熊さん、先発メンバーを多少いじくってくるかどうか。
いよいよルーカス見参だけに、試合当日まであれこれ妄想がふくらみ続けることになりそうだ。

ところで、試合終了まで画面真下で頭を上向きにしてテレビを観てたら、思った通り試合終了後には後頭部にドッと疲れが襲ってきた。
きっと勝てば感じなかったのにね(苦笑)。

☆★△△☆★△☆△☆☆☆☆☆△

【2011 J2 第20節/大銀ドーム/ 27,519人】 大分0-0東京 [得点者/なし]