頭を冷やして出直してこい!/vs.草津

東京を応援する人にとっては土日の怒りや落胆はピークを越し、憂鬱な週明けになったことだろう。
一昨日は仕事先の山梨で携帯速報により試合結果を知った瞬間、凍りついてしまった。
帰宅してから内容をはじめ、今回もおなじみの横断幕が張られたことやブーイングも出なかったことなどの周辺事情も知り、試合が終わって6時間遅れで群馬方面から流れてくる重い空気を吸い込むような、苦々しい気分に襲われていた。

監督交替せよの声は試合のたびに高まっていたが、この草津戦のあとはこれまでの比ではなかった。
ブログや掲示板では熊さんを擁護する発言は見られず、ほぼ大多数が批判的。
1試合で支持率が激しく急降下したのには、ちょっとびっくりしてしまった。
ここらへんが現地やテレビで観ている人と、今回の自分のように何も観ておらず“後追い”で知った自分との反応の違いかもしれない。
それにしても、誰もが口を揃えて采配に不満を訴えていることからも、どれだけひどい試合だったかが想像できた。

今季の大熊監督については、選手起用や采配に疑問や不信感が沸き起こったとしても、「ある程度まで」は我慢するしかないと思っていた。
今季一年は内容よりもとにかく勝利が最優先。
その覚悟は固まっていたのだが、ここまで6試合、まったくうまくいっていない。

あらためて言うまでもないのだが、内容と結果とは別物でないのだ。
1、2試合なら冴えない内容でもだましだまし勝つことができる。
しかし、昇格候補本命の東京相手に高いモチベーションで向かってくるチーム相手に対し、意思統一の図られていない中途半端な戦い方で勝つのはどれだけ難しいことか。
答えは明白、結果の通りである。

富山戦後の北斗のコメントや、今日のエルゴラ紙上での梶山・森重の発言からも、チーム内のコミュニケーション不足ははっきりした。
なんだかあちこちがボロボロにほつれてきたぞ、FC東京。
こうなると、いよいよ「ある程度まで我慢」の限界だ。
不調の原因は熊さんただ1人だけに責任があるわけではなく、選手にも多くの問題がある。
監督が替わって好転することを期待はするが、簡単ではないだろう。

同じ思いをもつ人も多いだろうが、熊さんは東京を応援し始めた当時の監督だったので、親近感は格別だ。
しかしこのままズルズルと負けやドローを重ねていけば、早い段階で「1年でJ1復帰」の大目標はどこへやら…… という最悪の事態を招きかねない。

仮に今年、昇格失敗したならば創立以来最大の低迷期に突入する。
いまこの時点で言うべきことではないのだが、そうなった場合にはクラブとしてのアイデンティティ再構築に専念することに時間を費やさざるを得ない。
“生きてるうちに東京のJ1リーグ戦優勝を! そしてそのときは新宿東口アルタ前の広場でユルネバの大合唱を!”という、酒に酔ってはしばしば口にする夢の実現は、さらに先延ばしになってしまうではないか。

自分としては、もちろんそんな遠回りはしてほしくない。
強くなって昇格するため、全力を傾けて取り組んでもらいたい。
プロフットボールクラブとしてこの苦境を乗り越えるためのカンフル剤は、もはや監督を替えることしかないだろう。

――というのが今のところのぼくの考えなのだが、いま月曜深夜の時点ではまだフロントは音無しの構えである。
ファン・サポーターの苦悩をよそに何も考えていないのか、はたまた次節の戦いぶりを見て判断するのか。
ほのかな緊張感を抱きつつ迎えるホーム味スタでの湘南戦。
正田スタに行けなかったぶんを含め、我を忘れて熱烈に応援するつもりでいる。
なんだかんだ言っても、差し当たってできることといったらこれしかないのである。

☆★△△☆★

【2011 J2 第12節/正田醤油スタ/6,520人】 草津2-1東京 [得点者/前半28分梶山・前半31分ラフィーニャ(草)・後半16分ラフィーニャ(草)]