どげんとせんと東京/vs.札幌

ゴールの決まる予感がしないままのスコアレスドローは、気持ちとしては負けたも同然の不満の残る結果。ハーフタイムにも試合後にもしっかりとブーイングが沸き起こった。変な話だが、僕は試合が始まる前から「もしこの札幌戦がさえない内容・結果に終わったとしたらブーイングしよう」と思っていた。その意味では、今日の東京応援者には同じ心理状態の人が多かったようだ。

前節の千葉戦は204センチの巨人+ロングスローの名手という、めったにお目にかかれない飛び道具みたいな攻撃でやられたせいか、わりと簡単に気持ちを切り替えることができた。だが今日のドローは違う。J1復帰への挑戦が始まったばかりだというのに、ファン・サポーターを不安がらせるに十分なほど、実にお粗末な試合だった。


↑試合前、入念に水がまかれる。この新兵器導入で今年の芝生はバッチリかな?

東京は後半途中からセザー、PJの2トップとなり、得点の期待はグーンと高まった。サイドからクロスが入りそう……という場面で中央に視線を移すと、2人揃って棒立ちのまま。まだコンディションが整っていないのか、はたまた連係がうまくいってないのか。それにしても、あれはひどかったなあ。

後半になったら攻撃にばかり頭がいっているのだか何だか知らないが、ディフェンスまでガタガタし始め、札幌の攻撃がにわかに活気づいてしまった。両チーム共にシュート数11というけど、枠内にいったのは札幌の方が多かったのでは。あのうちの1本が決まって0-1で敗北、みたいな考えたくもない展開も十分あり得た。

札幌はJ2クラブの中でも、まだ攻撃的な方なのだろう。それでも東京の攻撃はフィニッシュへ至るまでに時間がかかるので、ゴール前には7〜8人がズラリと守備に回ってしまう。結果的にドン引きと同じ状態になり、シュートコースがナッシング。大竹のミドルレンジからのシュートは2発とも直接相手選手に当たっていた。

東京の選手たちにはもっとちゃんと声を出し合ってほしい。開始直後はいいとして、少し時間がたつと皆バラバラにプレーしているように見えてしまう。連係は二の次、いざとなれば個人技で突破して……などという安易な考えで勝ち点3をもぎ取れるほどJ2は甘いもんじゃないことは、早くもここまで3試合でよく分かった。

この札幌戦で手に入れた勝ち点1は、相手を無失点に抑えたことに対するお駄賃みたいなもので、シーズン終盤に昇格争いが激しくなってきた時にきっと役に立つはず。でももっと大事なのは、着実に勝ち点3を積み重ねていくこと。どうやら東京も、J2ならではのタフで現実的な戦い方やメンタリティを身につける必要がありそうだ。

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【2011 J2 第9節/味スタ/17,572人】 東京0-0札幌


↑みんなで乗り越えよう。大震災による危機も、J1復帰への危機も!?