ドンマイ、目を覚まそう/vs.千葉

週末にサッカーがある日常の喜びに浸るのはキックオフまで。レフリーの笛が鳴ったらもう頭の中は東京の勝利のみ。J1復帰へ向けてのライバル筆頭格の千葉には絶対に勝ちたかったが、ダメだった。黄色い波がスタンドに大きく揺れるのを見て悔しさが込み上げてきた。これもリーグ戦が再開したからこそ味わうことのできる貴重な感情ではあるのだが……。

0-3とスコア的にも文句なしの完敗だが、内容も千葉のペースだった。前半は谷澤や椋原の惜しいシュート場面もあったから、互角か東京がやや優勢かのように見えたが、実際には千葉の方がうまい試合運びをしていたと思う。うまいというより、「落ち着いていた」というのが正しいかもしれない。

前半途中でヨネが負傷退場し、代わって羽生が入ってきたのを機に東京の選手たちはもっともっと泥臭く戦ってほしかった。後半になって入った期待のセザーだったが、周囲との連係は明治との練習試合のようにはいかずに空回り。ゴールはだんだん遠くなり、千葉がボールを支配し攻撃にかける時間が長くなってきた。

そんな矢先に飛び出したロングスローからのオーロイヘッドゴール。同じ攻撃を繰り返されてイヤな感じがしていたのだが……。城福さんは「今野か森重が体を強く寄せることが必要。どちらがいくか決めておくべきだった」と話した。きっと分かっていたのだろうが、一瞬だけ集中が途切れてしまったのか。

結果的にはあの1失点目が非常に大きくのしかかってしまった。せっかく作った“オーロイくん”の効果は残念ながら発揮できなかった。得点すべきところで決めておかないから、という振り返り方は、昨年に飽きるほど経験してきたことだ。J1復帰への道のりは山あり谷ありを覚悟しているが、こんなに早く谷に出くわすとは。おまけに平山に続いて、今度はヨネの怪我が心配だし。

しかし3失点して残り時間が少なくなっていく中、今ちゃんは鬼のような形相で猛然と最前線に駆け上がっていった。これはきっと、絶対にあきらめるんじゃない、なんとしても取り返すんだ、という(被災されたたちを含む)周りのみんなへの強いメッセージ。静かなる闘将のあの姿を見たら、1敗したぐらいでヘコんでなんかいられない。

ここはひとつ、元気よく「つぎ、いってみよ〜!」と、いかりや長さん風に切り替えていこう。そういえば長さんはキャンディーズを可愛がっていたっけなあ。

☆★

【2011 J2 第8節/フクアリ/16,360人】 東京0-3千葉[得点者/後半32分オーロイ(千)・後半38分米倉恒貴(千)・後半44分オーロイ(千)}