4月7日は鉄腕アトムの誕生日

4月7日は鉄腕アトムの誕生日だったってご存じでしたか? ぼくは全然知りませんでした。昨日、ふとしたきっかけでそれを知って少しびっくりした次第です。誕生日というものの、実を明かせばアトムを連載する雑誌の発売日だったようなので、たぶんあとからこじつけたのでしょう。

子どもの頃にはテレビアニメでさんざん熱中して観ていたものです。その後もいろんな形で何度となくアニメや実写版などもつくられているので、いま10代・20代の方でも知ってますよね。「そーらーをこーえてー♪」で始まる主題歌はあまりにも有名です。↓これですね。

アトムは「21世紀の未来を舞台に、原子力(後に核融合)をエネルギー源として動き、人と同等の感情を持った少年ロボット」(ウィキペディアより)。
でも少年時代には、原子力といっても具体的にはチンプンカンプン。ヒロシマナガサキの原爆と頭の中でつながったのは、何年もあとのことでした。

10万馬力をはじめ、たくさんの威力を持っているアトムは悪や困難と戦い、克服していく姿には毎回わくわくさせられたものです。魅力を感じたのは、ロボットでありながらも人間と同じやさしい心をもっていたり、自分が人間でないことに思い悩んだりするところにもありました。

鉄腕アトムを通し、21世紀には何やら分からぬ「原子力」とやらで果てしなく輝かしい未来がやってくる。ぼくら昭和高度成長期の子どもたちはそんな夢や妄想を抱いたものです。どんなに便利で楽しい世の中がやってくるんだろうと、21世紀になるときの自分の歳を勘定したりして。

しかしだんだんと大きくなるにつれて原子力の何たるかを知るうちに、そんな万能特効薬のようなものばかりとは言い難く、使い方を誤ればむしろ人間に対し極めて危険な状態に追い込む可能性のある恐怖のエネルギーである……という知識も、わずかばかりですが身につけました。

そして今回の震災に伴う福島原発の事故で恐れていた事態が現実のものとなってしまっています。アトムの生みの親である手塚治虫さんも、たぶんこのような事態を予測していなかったでしょう。いや、あれだけ聡明で理知的な方ですから、もしや想定していたかもしれませんね。

これは明らかに人災です。願わくばいま、お茶の水博士がいてほしかった。そうすればどれだけ早く危機を食い止めることができたことか……。非難すべき対象は明らかに存在しますが、現状ではそれどころではありません。アトムがなりたかった人間の力を結集させて、なんとかしましょう。ドンマイドンマイ!