やればできるじゃん(笑)

来季へ向けて所属選手のリストラなしとは、この世知辛いご時世ではなかなかできるもんじゃない。しかも強化費は今季並みの金額(18億円)維持とはビックリ、そしてニッコリ。社長のことをこのところ少々クサしていた矢先の、粋でいなせな英断だった。「アッパレ!」と叫びたい。

何かにつけて「資金不足」の一点張りだったところにきて今回の降格だけに、前々回のエントリーで書いた通り、京都戦直後だっただけに社長の高額年俸選手の移籍示唆発言にはイラッとしたものの覚悟はしていた。こりゃ草刈り場になるのかなと予感させられた。

それが2、3日たってJリーグアウォーズ後あたりから一転してポジティブな発言が目立ち始め、レンタルの大黒以外の選手は皆残留へ、おまけにブラジル人FW2人が新加入ほぼ確定のニュース。例年以上にやけに動きがスピーディじゃないの、と思わず頬が緩んでしまった。

「こんな大盤振舞して大丈夫なのか」「こんなことなら今季どうにかならなかったのか」という思いも頭をよぎるが、今はそれを言うまい。昨年の2億6000万円の増資なんてのも知らなかったし、実際のところの会社の懐具合は分からない。経営・運営状況が健全かどうかの判断はその方面に詳しい方の分析を待つとしよう。

もちろん選手が全員残留したからといって、またFW2人の補強が実現したからといって、来季の好成績=昇格が約束されたわけではない。そんな思い込みがいかに甘かったかは実感したばかりだ。それでも現在進行中の流れには、多くのファン・サポーターは納得がいくのではないだろうか。「これでホントに全勝できるかも」と(笑)。

いやぁそれにしても、今ちゃんも残ってくれましたなあ。高年俸、現役代表選手といった事情から残留は難しいかと思う半面、「義理堅い今ちゃんのことだから残ってくれるんじゃないか」という気もしていました。ザッケローニの「J2でも力があれば代表に呼ぶ」という発言も効いたのかな。

どういうわけか東京には闘志を内に秘め、感情をあまり表に出さないタイプの選手が多い。今ちゃんはその典型なのだが、先日の京都戦後の悲しい表情は忘れられない。時々口にする「サポーターに恩返ししたい」という気持ちを胸に来季も青赤でいてくれるなんて、こんなにうれしいことはない。

こうなってくると、クラブ一丸となって本気で1シーズンでJ1へ復帰するぞ! という意気込みが強く感じられる。熊さんにも自分なりに考えている来季への意気込みや戦い方などを、選手に対し、またメディアに対してもビシバシ語ってくれるように期待したい。

天皇杯を前にして、なんとなくいい雰囲気になってきた。ウチらも背中を丸めている場合じゃありませんな。