負けるわけはないさ

なぜだろう、今週はとても長く感じられた。週末がとてもとても遠く感じられた。不思議なものだ。トシをとるにつれて時間のたつのが早く感じられると年長者はよく言うが、いまさらながらに実感する。

城福さんが解任された日からから5日目にすぎない。その間、いろいろなことを考えた。つまり考える密度が濃かったわけだ。裏返せば、普段はよっぽどまでに考え方が薄くて浅い、ということなのだろうか。そうだとしたら情けないな。

まだ頭の半分は城福さん解任の感傷に浸っていた水曜日。大熊新監督の初日練習の様子を読んだら、そんな場合ではないという気になり、水曜はやるべき仕事を後回しにして小平での練習試合へ行ってきた。

夏へ逆戻りかと思うくらいの暑さのもと、ずいぶんたくさんの人が駆けつけていた。みんな自分と同じで城福東京への思い出を断ち、大熊さんの目指すサッカーの片鱗を見てみたいという無理やりポジティブな気持ちだったのか。

試合は流通経済大を相手に5-1の勝ち。開始の笛と同時に前へと駆けめぐる東京の選手たち。要所要所で飛ぶ熊さんのゲキ。それに応えるかのように素速く守から攻へと移り、最近にない巧みなパス回しでフィニッシュへ。

この流れを見るうち、気持ちは切り替わりつつあった。そしてダメ押しが練習試合後、休む間もなく若手ばかり4人対4人による、ハーフコートを使った紅白戦。叱咤とほめ言葉を繰り返す熊さん、疲労の限界まで走る選手。ぼんやりしていた応援者魂がようやく甦ってきた。

ついさっき午前0時前後に自転車で駅から帰ってくるとき、小雨がぱらつき強い風が吹いていた。「明日はどうやらひさびさのポンチョ持参かな」と、片手で傘を差し、ペダルを漕ぎながらそう思った。

どうやら台風の影響なのだろう。これが明日の何時まで続くのかは予報をしっかり見ていないので知らない。もしや台風の動きが変わったら、東京に直撃かもしれない。

いいじゃないか。雨は降るのならこれでもかというほど降れ、風も吹くのなら思いっきり吹けばいい。台風なんて、過ぎてしまえば晴れがやってくるのが常である。

チーム状態もこの天気とおんなじだ。まさしく大熊東京のスタートにふさわしいのかも。明日はとても大事で難しい試合かもしれないが、終わったときにはきっと東京に青空が見えてくるはずだ。

決して必ずしも結果至上主義者ではないつもりでいるが、現在ばかりはしばし暫定的にポリシーを曲げさせてもらう。
明日はなんとしても、どんな内容でも勝つ! 勝つ! 勝つ!
これでいいのだ。さあ行こう、いざ味スタへ。弾けよう飛田給、負けるわけはないさ。