辛勝でもいいのだ/vs.駒大(天皇杯)

午後4時半すぎに飛田給駅を下りると風が吹き、それほど暑くなかった。駅前の「ますや」はいつものように店先にテーブルを出していなかった。鶏の唐揚げとやきそばを買うつもりでいたが、さすがに「ますや」のおじさんも毎年の天皇杯のパターンから、観客数を予測していたというわけか。やるなぁ。でもトリカラ食べたかった。

開場の17時30分に開場となり入ったときはまだ駒大の応援はゼロ。東京の方だって自慢じゃないが、決して多くない。日曜だし、7000人ぐらい入るだろうと思っていたら、キックオフ間近になってもスタンドは大して埋まらずに5000人。記憶が正しければ味スタでの東京の公式試合最少ではないだろうか、どうなんだろう。

開始直後から中1日で試合を迎えた駒大のアグレッシブな攻撃は予想をさらに上回っていた。対する東京はチームの現状が現状だけに、とてもじゃないが「受けて立つ」ようなカッコいい展開にはならないのは予測の範囲内ではあった。もちろん希望としてはドカーンと大勝してもらいたかったが、強豪駒大相手にそう簡単にはいかない。

後半はついに羽生、徳永を出したが、羽生にとっては負傷明けの足慣らしとしてもよかっただろう。注目した平出さんは可もなく不可もなくのプロデビュー。公式戦初の試合としては、たぶん長友のデビュー戦よりもいい出来だった(笑)。草民には梶山ばりの鬼キープを期待したが今ひとつ。実戦経験を積めばボランチはおもしろいと思う。

とにかく内容はともかく、勝って何より。なんとしても取りこぼすわけにはいかなかった。万が一悪い結果になったら、ようやく底を脱したチーム状態を暗黒の世界へ逆戻りさせかねない。例年と同じただの天皇杯初試合ではないという気持ちが、少なからず東京応援者にはあったはず。その緊迫感が応援なり野次なりによく表れていた。やれやれながらも「これでいいのだ」な試合だった。