ボンジョルノ! 長友“凱旋”帰国

録画しておいた長友チェゼーナの試合を見終えました。サイドからオーバーラップする姿には、目が覚める思いがしました。それも一度のみならず、二度も三度も走る走る。ひさびさに理想的なサイドバックの動きを見た感じです。

我々の近くにいたついちょっと前までより速いし、力強いランニング。わずか数週間のチェゼーナでの練習ですが、パワーアップして見えたのは気のせいだけではないでしょう。攻守ともに臆することなく、自分のよさを出し切ったデビュー戦でした。

圧巻だったのはカウンターで長い距離を駆け上がったあと、左斜めから打ったシュート場面。これは惜しかった! ローマのサポーターも肝を冷やしたかと思います。どうやら味方のFWに対し、パスを要求していたそうです。

さすが長友、身も心も強靱なところはセリエAでも変わりなし。ローマ相手だけにかなりアピールできました。彼はそういうところもまた、天下一品。大舞台であればあるほど集中力を発揮できる才覚を備えた選手です。

ガゼッタ・デロ・スポルト紙は「猫の速さ。この日本人はサイドラインをスシのように食べた」と賞賛した様子。猫はともかく、「サイドラインをスシのように食べた」って、いったいなんちゅう表現なんですかね〜。

いかにもイタリア紙っぽくて腹を抱えてしまいますが、日本人だからって無理くりスシじゃなくてもいいっつーの(笑)。まあきっと、それだけ鮮烈な印象だったのでしょう。採点は6.0でしたが、これは少し辛口ですな。6.5つけてもいいはずです。

録画を見終わってテレビのニュースに目をやると、たったいまテレビの中で走っていた長友が、もう日本へ到着してるじゃないですか。ローマ戦は勝利ではなくドローでしたが、あえて“凱旋”帰国と言ってあげましょう。まだたった1試合だけですが……。

ガムをくちゃくちゃ噛みながら、左手で持ったバッグを左肩のうしろに乗せるという、おなじみのポーズでイタリアから帰ってきた「俺たちの」ゴリラ。原トーキョーならぬ原ジャパンの2試合で走る姿を早く見たいものです。

あの自信に満ちあふれたプレーを見て、ついこの前までのチームメイトたちが何かしらの刺激を受け、発奮してくれるといいですね。