今ちゃん、サンキュ/vs.鹿島

「鹿島は必ず後半にバテると思った」という試合後の城福さん、選手のコメントを読み、平たく言えば後半勝負というゲームプランだったのだろうと解釈した。鹿島は夏が苦手なのはもはや通例、なんとかして前半は0-0で切り抜けよう。そうすればきっと、後半にはわが東京に勝機がやってくる、と。

前半は引いて守り一辺倒というわけでもなかったが、中盤では鹿島にいいようにパスをつながれ、かなり圧倒的にボールを支配されていた。それに対し東京の選手が厳しくプレスをかけるわけでもない。普段東京の試合を見ることのない「非」応援者は、BSNHKの中継を観て、「ダメだこりゃ、やっぱり下位に沈んでいるわけだ」と思ったにちがいない。

前半のあの展開に関しては、羽生と梶山がいなかったこととは直接関係ないと思っている。キックオフ直後から鹿島の出足が想像以上によかった。前節清水に敗れ、なんとしても連敗は避けようとする意欲の表れだったのだろう。

相手FWツートップの興梠、大迫が放たれた猟犬のようにゴールを襲ってくる中、1失点で済んだのは、まだラッキーと言うべきか。「非」応援者ならずとも「う〜〜〜ん」とうなるのみの前半だった。

鹿島監督のオリヴェイラは試合後に「東京のチャンスは後半より前半にあったと思う。後半の方が、東京の狙う形を抑えられたと思っている」 と話している。発言の意味を一生懸命くみ取ろうと考えたのだが、なかなか返す言葉が思い浮かばない。見る人が見ればそういうことなのかな。単なる皮肉?……さて何でしょう。

後半41分、ボランチに上がった今ちゃんの同点ゴールが決まったときは、声を出すよりも一瞬早く両手をを突き上げてしまった。よくぞ決めてくれました。「タラレバ」で言えば、もっと早い時間に決まっていたら、前半に攻められながらも0点に抑えていれば、ってところだが、それは難しかった。この試合は1-1ドローでよしとするべきなのだろう。

蒸し暑さの中での重苦しい90分で、両チーム選手は終了と同時にピッチにへたり込んだ。まったく無理のないことだが、東京の方がまだちゃんと立っている選手が多く見えたのは、勝利を目前として同点に追いつかれてしまったという、試合展開によるものなのだろうか。

もしかしたらそれだけではないかも、と考えてしまう。過酷な日程続きに慣れ、心身ともにみんな今ちゃん並みに持久力が増したのでは? 手前勝手にそう考え、水曜のセレッソ戦勝利をこれまた手前勝手に確信した。モニワを抜いてゴール連発だ!