行ってらっしゃい赤嶺

2週続いた平日の試合だが今週はなく、久しぶりに穏やかな気分の水曜日となった。来週はまた水曜日にアウェイのセレッソ戦があるので、選手にとっては今週が束の間の身体休め、気持ち休めとなるだろう。

応援する側にとっても、名古屋戦でグツグツに煮えたぎった頭を冷やすにはちょうどよかったのかもしれない。だがこの頭ときたら、いったん冷めたかに見えて、何かの拍子にまた熱くなるのが困りものである。だからなるべく、順位表は見ない方がいい。

今日は試合がない代わりに、『赤嶺が仙台へレンタル移籍』というニュースを朝一番で知り、驚いた。ここ数年は毎年のように移籍話があったが、そのたびに東京に残ることを決意してくれたのはうれしかった。でも今回はちょっと違う。

プロ5年目で、毎試合出たいと思うのは当然だ。東京の現状ではそれが厳しくても、赤嶺なら他のチームでレギュラーの可能性は十分にある。引き留めたい気持ちよりも、「行ってらっしゃい、頑張って」という気持ちの方が少し勝っているのが正直なところだ。

東京のゼッケン24は、小林成光から赤嶺真吾へ、そして今年から重松健太郎へと渡った。野性派ゴールゲッターの系譜と言ってもよいだろう。いまだに赤嶺には24番の印象が強いのだが、本当は今シーズンここまでに9番を背負った“俺たちの赤嶺”の記憶をもっと残したかった。

華麗さはなくとも、泥臭く決めてくるスタイルが魅力のストライカー。ただそれも試合に出る時間が長くあって、初めて活きてくるタイプ。新しい環境での勝負となるが、ぜひ先発を張って勘を取り戻し、一昨年のようにゴールを量産してほしい。

東京は東京でこれまでが嘘のように得点力を上げ、順位も上げていくので心配は無用。新天地で自分の仕事に集中してもらいたい。あ、もちろん10月のアウェイ東京戦ではナシで、それ以外の試合ではガンガン決めていいからね。これからも応援します。

行ってらっしゃい、頑張って。とは言うものの“仙台の地で赤嶺大爆発”なんて聞くと、シーズン途中であっても「オーイいつまで人んちにいるつもりなんだぁ〜、早く自分ちに帰ってこーい」と声を掛けたくなるにちがいない。応援者というのは、まったくもって単純かつムシがいい生き物なのである(笑)。

冗談じゃなくて、本当にまた東京に帰っていらっしゃい。「行ってらっしゃい」には「おかえり」が付き物なのだからね。