気持ちは切り替えられるもの/vs.名古屋

試合が負けた後の常套句に、「気持ちを切り替える」というのがあります。あれは黙っていれば救いようのないネガティブな雰囲気あるいは気分を少しでもポジティブな方向へ転換しようというとき、非常に頻繁に使われますね。選手もよく口にしています。

かく言う自分も日常会話やこのブログの中で、無意識のうちにもわりと頻繁に使用していると思います。この言葉のもつニュアンスは的確といえば的確だし、曖昧といえば曖昧。そんなこともあってか、スポーツの世界では何かと汎用性の高い表現であります。

試合に負けたという事実はどう逆立ちしても変わらないし、いつまでもどんよりした気分でいても仕方がない。そう分かっていても、グッタリするときはします。どうにもこうにもメンタルコントロールできない状態に陥るものです。

春や秋の試合だと終わりが早い時間なので、一緒に観戦する相棒と一杯飲んで帰ることがよくあります。勝ったときはいいのですが敗戦後、2人揃って茫然自失、ほぼ無口な状態で飲んでいたりすると、状況に耐えられなくなるのはまず僕の方です。

そんなとき口から出る言葉がこれ。
「ここは気持ち切り替えていこうぜ」
出ったぁ〜〜〜、という感じですね。しかしそのシチュエーションで、これに優る気の利いた言葉は今のところ思い当たりません。

「明日に向かって新たなるスタートを切ろうぜ」と言うのも何だか青春ドラマで飛び出しそうな歯の浮いたセリフだし、かといって「ヤイヤイヤイッ、いつまでシケたツラしてんでぇ。オメエがそんなことでどうする!」なんて息巻いても「うるせえっ」とケンカになるだけだし。

ロスタイム、試合終了まぎわ最後のワンプレーで失点し、敗戦。名古屋戦後は現場で相棒と観ていれば、そのお馴染みのパターンになること必至だったでしょう。しかし仕事があり帰宅後にテレビ観戦でしたから、例の言葉を口から出すことにはなりませんでした。

昨夜に関して言えば、試合後に「気持ちを切り替えろ」と言われなければならない状態だったのは自分自身(笑)。闘莉王のあのゴールはかなり強烈な衝撃でした。前半の展開が完全に東京ペースだったから、よけいにこたえましたね。

課題は依然としてフィニッシュ、決定力に尽きるでしょう。試合中に見られた反省点、修正点は明日からの小平で改善に向けて努めることを願うばかりです。ただひとつ、大黒には攻撃についての考えを監督や他の選手たちと話し合ってもらいたい。もはや攻撃のキーマンであることは誰の目から見ても間違いないのだから、遠慮なく前向きな意見を交わしてほしいと思います。

大きかった衝撃のダメージも、一晩寝ると50%は減少していました。さらに今日一日、仕事の合間に東京のことをああでもない、こうでもないと考えているうちに80%、いやほぼ90%は回復したようです。今シーズンはツラい衝撃が多いから、気持ちの切り替えはかなり早くなったって? いや、口が裂けてもそんなことは言えません(苦笑)。