帰ってきた2人

昨日、東京から南アフリカへの長旅に出かけていた2人が帰ってきた。いや〜長かった長かった。無事帰ってきて何よりである。

代表帰国会見で今ちゃんは見事に一芸をやってのけた。岡ちゃんに振られたときにいったい何をしゃべるのかと思いきや、モノマネとは。あの場面はあちこちのニュースで何回も何回も観たが、そのたびに飽きもせずどうしても笑いこけてしまった。モノマネに続いて森本による南アの歌声があり、やけにシリアスな空気の会見は、いつの間にかゆかいな宴会ムードに変わっていた。

代表ではいじられ役とは聞いていたが、なるほどああいう感じだったのだな、とこれを見て初めて納得した。つくづくシャイさと度胸を兼ね備えた人なのだなあ、とミョーに感心してしまった。本番直前の怪我により出場機会は少なかったが、何か一皮むけたかのように表情は明るい。中断明けからの今ちゃんはいちだんと大きな存在感を放つにちがいない。

もうひとりの長友は全試合フル出場、しかも相手チームのエース級選手の猛攻を食い止めるスナイパー的役割を果たしただけに、各テレビ局から引っ張りだこ。今夜もあちこちの番組に出まくっている。そのたび、話の中に「FC東京」という言葉を織り込んでいる。サムライブルーを身にまといながらもいつも心は青赤だよ、と聞こえ、東京を応援する者としては実に心地よく耳に入ってくる。

でも勝手に深読みすると、そうした「FC東京」の連呼はまもなく訪れるであろう別れの予告のように聞こえてしまう。特別指定選手として東京へやってきて以来の長友の言動はよく記憶しているつもりだが、長友は間違いなく東京をアイシテル。FC東京と、そのクラブを応援する人たちへの感謝の気持ちは、海外への挑戦を間近に控えて高まる感情と微妙にシーソーしているように見える。

2人が帰ってきた昨日はちょうど東京のJビレッジ合宿最終日。そして今日には阿部巧がレンタル移籍したり、心配なことにナオや権田が怪我をしたり、水戸と練習試合で快勝したり、とクラブの話題がにぎやかになってきた。今後のW杯にももちろん注目だが、中断明けの神戸戦には2人とも出場するだろうか。出るとしたら、きっとそれ相当の観客増につながると思う。

もしその試合に勝ったなら、今ちゃんには代表合宿生活で培ったモノマネなどの一芸の数々を、長友には最後の置きみやげとして東京初ゴール試合後に見せた懐かしの連続でんぐり返しを、それぞれ披露してもらいましょうか。いや、これはつまらん冗談ということで(笑)。