ブラボー!/vs.山形

ようやくこの日がやってきた。リーグ戦に関して言えば3月28日(日)の第4節大宮戦以来7戦ぶり、日数では42日ぶりの勝利である。さすがに最近はここまで長く勝利から見放されることはなかっただけに、ガンバ戦後から月曜日のエルゴラを買わなくなってしまった。編集部の皆さん、ごめんなさい。今日のはもう買いましたので。


前半25分に待望の得点が重松の一撃によって決まり、長かったトンネルからようやく抜け出したことを確信した。きっかけは突然やってくるものだ。その後の東京は前を向いて攻めるサッカーを最後の最後まで貫き通していた。平山の動きは水曜の仙台戦までとは一変し、昨シーズンのいい状態にひさびさに戻っていた。

平山がいいと攻撃のバリエーションが一気に増えてくる。ポストプレーに呼応し、羽生、石川、そして今シーズンは重松が早い段階でフィニッシュまで持ち込めるし、FKやCKなどセットプレーの機会も増えて今野・森重が上がりゴールを狙いにくる。いいときの東京の流れで、こうなればゴール欠乏症は完治したといってよいだろう。

最大の勝因は気持ちの変化、切り替えにある。仙台戦翌日の小平での今季初のリラックスゲームは実にいいタイミングだったと思う。森重が笑顔で「楽しかったです」と話していたらしいが、選手には効果絶大だったにちがいない。安らいだ気持ちでいいコミュニケーションが図れたことだろう。堅苦しい雰囲気の会議より酒飲みながらの方がいい企画やアイデアが出る、みたいなものかもしれない。

城福さんは試合前に「今日は得点を取るよりもまず、躍動感を前面に出してこい」と言って選手を送り出したという。このところの東京の選手たちはいくら気合いを入れても結果が伴わないことから、目が三角で眉間にしわの悲壮感に満ちあふれた状態だった。監督はさすがに「こりゃいかん、不調の原因はメンタル面にあり」と察知したのだろう。練習・アドバイスともに、的確な判断に基づく見事な指揮だと思う。監督が笑えば選手も笑うのだ。


それにしてもよかったなぁ。久しぶりにいい気分で新しい週が始まった。しかし一昨年はもっと強烈なのがあったなぁと調べてみると、これはすごかった。5月17日(土)の第13節磐田戦勝利後から8月9日(土)の第20節名古屋戦まで日数にすれば84日間も勝利なし。それに比べりゃ今回は短い方……って、そういう問題ではないですね。いやはや、こういうことにはあまり忍耐強くなりたくはありません(笑)。