“ここ一番”の非公開練習

シーズン中に2日連続の非公開練習とか、過去に記憶のないことだ。今年は3月の開幕前に場所を知らせず(といっても味スタなのは見え見えなのだが)、湘南との非公開練習試合をやって以来である。

過去2年を振り返ってみてもあまりなかったと思うのだが、それでもまったくなかったわけではなく、“ここ一番”というときには非公開にしていた。今回も相手が鹿島ということで、“ここ一番”なのだろう。

この非公開練習、トルシエが監督時代の日本代表はしょっちゅうやっていた感がある。一般だけでなく報道関係もシャットアウトの場合、記者はネタが取れない腹いせも込めてか、大抵よくは書かないように思えるのは気のせいか。

W杯本番の直前練習となると、各国チームはこぞって非公開にする。それでもどうしても見てやろうという人は必ずいるものだ。グラウンドを見下ろせる小高い丘や建物などを見つけ、そこからのぞき見という話がよく出回る。高い木に登って見ていた記者が落ちてケガ、なんてちょっとマヌケなエピソードも聞いたことがある。

僕も以前より非公開練習なるものには興味を引かれていた。わざわざシールなどで何かを隠されると、なんとなくそれをはがして下を見たくなる、というあの心理に近い。子どもにありがちな好奇心だが、いいトシをして僕にはまだこれが残っているようだ。

だから今回も異例の2日間非公開ということで、いったい何をするつもりなのだろう……と想像をふくらませてしまった。城福さんはいつも以上の鬼将軍になっているのだろうか、平山は普段出さない大声で周りの選手を鼓舞してはいないか、などなど。いやぁ見てみたい。

でも実際は、普段の試合前の公開練習とほとんど変わることなく行われているのだろう。しかし違うのはギャラリーがいない状態で集中力を高めることか。今ちゃん欠場ということも踏まえて守備陣の連係を確認し、鹿島対策を練りに練った2日間だったにちがいない。

非公開練習というのもたまにやるから効果があるものなのか、あるいは効果がないものなのかは、当事者ではないのでよくわからない。いずれにしても明日の“ここ一番”鹿島戦が、2日間非公開練習にしたに値する好結果が出ることを、強く強く願わずにはいられない。


あ〜、“ここ一番”なんて何度も書いていたらカレーが食べたくなってきた……。