「まだ2試合目」は禁句/vs.浦和

0-1で負け。東京の選手たちが重い足取りでアウェイゴール裏にきて、頭を下げて去っていくのを見届けるや否や、埼スタを後にした。浦和相手の負け試合に長居は禁物。浦和美園駅へ至る荒野の一本道を歩く途中ずっと、背後から勝ちどきを上げる大声量が聴こえてくる。こんな場面をいったい何年続けているのだろう。

沸騰していた頭も、帰宅し、風呂に入って録画したビデオを見終える頃にはそれなりに冷めてきた。浦和レッズという絶対に勝ちたい相手に対しここ5年半の間、13試合戦って2分け11敗という戦績は大いに問題だ。しかしそれはそれとして、考えるべきは例の「0勝2分け8敗」のことだと思っている。

城福さんは今シーズン開幕を前に「昨シーズン1勝もできなかった上位5チームとの10試合で少しでも多く勝ち点をあげることが、絶対に克服しなければならない課題」と強調した。最低でも勝ち点1を奪うことに強く強く執着し、なおかつそれを実現させることが目標の「最終節での優勝争い」に近づくための必要条件なのだ。

昨シーズン勝てなかった上位チーム対戦の第1弾・浦和を相手に、勝ち点3はおろか1すらキープできなかったという結果を監督、選手は深刻にとらえていることだろう。「開幕してまだ2試合目。結果より内容でしょ」という考えが僕のような甘めの見方をする者の脳裏にはとかくよぎりがちだが、今年はその辺についてちょいとシビアに見つめていこうと思っている。
だから序盤戦だからといって「まだ○試合目」はタブー! 例年春先にそんなことを言っているうち、気がつけば秋風が吹く季節になっているのだから。


以上で終わりではなく、ここからは試合内容の印象を。全体的には両チーム共にまだまだ課題の多い試合だった。とくに東京はシュート数4という少なさ。これでは勝つことが難しい。それにしても試合中はレフェリーの判定に「なんだよ!」という思いに駆られるジャッジの連続。やはり扇谷氏は“やめられない止まらない”状態でイエローの乱発だった。

今年から厳しくなった腕を使ってのチャージへの判定基準がどの程度のものなのかはっきり知らないし、帰宅後に録画した映像を観てもよく判らなかった。ただし森重の退場は仕方がない。思い切りのいいチャージが持ち味のSBだが、この試合では早い段階でファールが連発してしまった。あれでは2枚目のイエローも無理がない。

レフェリーのジャッジには立場による違いこそあれ喜怒哀楽、悲喜こもごもの感情がつきまとうもの。しかし不平不満をいくら言ったところで、試合結果が覆らないのが大方の現実だ。百も承知なのだが、現場ではどうしたって身びいきになり、腹を立ててしまう。そんなとき東京ゴール裏ではおなじみの「あの」コールが始まると、ついつい叫んでしまうことも(いつも後で少し反省します)。あまりレフェリーに言及する必要のない内容の試合を頼みます(苦笑)。

10人態勢で1点ビハインド。いち早く追いつきたい後半の東京の攻撃はなかなか迫力が出てきた。赤嶺オフサイドの場面もうそうだったし、平山にボールが通りポストになって有効なパスを供給したり、悪くなかった。数を減らしたDFだが、松下がボランチの位置でいいチャージを見せていた。次節C大阪戦に期待を持たせる内容で終わったのはよかった。

ナオ、梶山は必要不可欠だが、怪我の治りが遅くなるようではまずいので気をつけてもらいたい。森重には反省すべきところは反省してもらいたいが、何となくこれで真の意味で東京の一員になった感じがする。出場停止明けの試合では声高に応援しようと思う。さあ気持ち切り替えて前を向いていこう。開幕してまだ2試合しか終わっていないのだから……あれ!? いかん、早くも言ってしまった!