現実を見て、前へ進もう。

けさ目が覚めて、いの一番に考えたのはナオのことだった。歓喜のゴール直後の悪夢の事態に転じた土曜から2日たった月曜は、ようやくのことで病院で検査を受けるとのこと。

朝の通勤電車からずっと気になって気になって、何度携帯のオフィシャルサイトにアクセスしたことか。ようやくアップされたのが夕方のことだった。

診断結果は「左膝前十字靱帯不全損傷」と発表された。しかし今後もまだ内視鏡検査などが続くようだ。より精密な怪我の状態を把握してみないことには、全治までの期間は判明しないのだろう。

どうやらはっきりしてきたのは、どんなに早くても今シーズンの出場は難しい……ということだ。しかしナオはすでに前を向いている。強い気持ちを持ってこの厳しく苦しい現実を乗り越えようと気持ちをスイッチし始めているのだ。

「どんな結果になっても受け入れて前に進みます」

今朝のトーチュウ紙面ではナオ本人のこの言葉が見出しになっていた。100%本心じゃないかもしれない。だが過去を振り返るのではなく起こってしまった事態を直視し、未来をどう予想していくか、の第一歩を歩み始めているのだ。

だから僕ら応援者もただひたすらに悲しんでばかりいるのは、もうそろそろここまでにしたい。望むべきは一日も早い完治。そして期待すべきは厳しいであろうリハビリを経たのち、青赤のユニフォーム姿でボールを追って走る姿である。