2009天皇杯初戦/vs.讃岐

味スタでの天皇杯観戦はいつも新鮮だ。一番は相手がアマチュアであることはもちろんだが、それだけじゃない。駅売店で勝つサンドを売ってない、FC東京ボランティアスタッフがいない、マッチデープログラムが売ってない、小平南ハイスクールの面々がいない、ビールのタンブラー割引がない、等々。天皇杯であることを実感してしまう。

元日決勝へ向けての第一歩。期待をふくらませて味スタへ向かった。いつもは自宅から自転車で南武線矢川駅へ走り、そこから分倍河原京王線に乗り換えて飛田給というルートで味スタへ向かっている。だけど今日は天気がいいので気分が変わり、東八道路経由を東へと進んだ。

ガタピシのノーギヤ自転車で走ること所要時間約50分、味スタに到着。うっすらと汗かいたが爽快な気分だ。最初に書いた天皇杯ならではの違いを面白がりながらゴール裏に座り、ビールとフライドチキンで1人で乾杯。いつもの相棒は仕事が入ってしまったから、と先週に連絡があった。なかなか最近2人の予定が合わないが、こればっかりはしょうがない。

香川県代表・カマタマーレ讃岐との2回戦。結果は4−0で無難に勝利。だが前半4点で後半ゼロという内容には少々の不満が残った。前半は華麗なパスワークで「さっすがJ1はこれでメシ食ってるだけあるわ」という展開。後半は4点差でリードという展開から抑え気味にいったこともあるが、中盤でボールが収まらなくなってきたのは梶山がいなくなったからだろうか。決定的なゴールチャンスも数々あったが、決めきれなかった。

この試合、僕としては達也にMOMを与えたい。いつものナオのポジションに入り、1ゴールを決めた。よく動くし、あらためていい選手だと感じてしまう。それと平松がサッカー人生で初という左SBでスタート。守備はもちろん、時にはしっかりオーバーラップしてくるなど頑張っていた。大竹のポストに当たったFK、あれは本人の自信回復のためにも入ってほしかったなぁ。

それでもやっぱり本日最大のトピックスは、シオの先発で決まり! 試合前の練習時からうれしくてうれしくて、という雰囲気がものすごく強く感じられた。開幕前の急な入院から練習を再開して約半年、ようやく公式戦でキックオフからピッチに立つことができた。権田の成長は目を見張るものがあるが、越えるべき目標であるシオを存在があったからこそだ。1回だけ「ヤバイぞ」というミスがあったが、見事完封でおつかれさま。

帰りがけ、カマタマーレ讃岐のグッズ販売コーナーに立ち寄ってみた。「おかげさまで大人用のTシャツは完売しました。エフシーさん(!)の方にもずいぶんとお買い上げくださって、ホンマありがたいことです」と、販売担当の方は目を細めていた。

「来週は全国社会人大会のために千葉へ行くんですよ。JFL昇格のためにも、そっちの方はなんとか優勝したいです。羽中田監督のもとでJリーグ入りするのが夢なんですわ」という話。これを聞いて思わず「頑張ってください」と1本200円のカマタマーレネーム入りのボールペンを購入してしまった。

その後、僕は自転車にまたがり地方のサッカークラブのあれこれを考えながら、夕暮れどきの東八道路を西へ向けてペダルを漕いだ。いつもそうだけど、帰り道は遠く感じるものだなぁ。