岡ちゃんがやってくる

以前はサッカーについての会話のなかで「岡ちゃん」と言えば、岡田武史氏のことを指すのが当たり前だった。フランスW杯最終予選のとき、急きょ代表監督に就いて以来、僕はあの方のことをずっとそう呼ばせていただいている。

だが、昨年の北京五輪あたりから「岡ちゃん」がもう一人いることを知った。清水の岡崎慎司選手である。当時、清水を応援する人のブログか何かを読むと「岡ちゃん」の名前がやたらと出てくるが、最初は岡崎のことだとはピンとこなかったのを覚えている。

それはいいとして、岡田武史日本代表監督が3日後の日曜、名古屋戦を見に味スタへくるそうだ。目的はもちろん……皆さん分かってますね、我らが石川ナオの視察。「結果を出しているかということでなく、代表に必要かどうか」を見極めたいようだ。

ちなみに前日土曜は、ここにきてゴール連発の高原を見るために浦和の試合へ足を運ぶそうだ。岡ちゃんもW杯予選が終わったらすぐに南アへ飛んでコンフェデ杯観たり、合宿地探しをしたり、また秋以降の強化スケジュールを考えたり、忙しいよなぁ。代表監督は大変だ。

最近のナオの進化・躍進・大活躍については、JFA技術委員長・強化担当というイカツイ名称の要職に就いた原博実氏からさんざん聞かされたことだろう。代表チームでオフェンシブハーフの候補選手はかなり多い。その事情にかかわらず、ヒロミはピョンピョン弾んだ気持ちで岡ちゃんに進言したにちがいない。

「岡田さんっ! ホンットにいまの石川ナオはすごいですから一度見てくださいってば!! キレキレなんですって。4試合連続ゴールなんて、ハンパじゃないっしょ」
「う〜ん、日曜の夜かぁ……天地人観なくちゃだけど……まあ味スタなら遠くないし、おまえがそこまで言うなら行ってみるかい」

とにかく岡ちゃんが味スタへやってくる。そうした舞台裏とは関係なく、ナオは平常心のままで新しくなった味スタの芝生の上を駆け回り、シュートを撃ってくれることを期待したい。我々はいつものように応援するのみ。試合後のうまいビールが今から楽しみだ。