オーストラリアに悔しい逆転負け

1−2。W杯最終予選最終戦、オーストラリアを相手にドイツW杯のときと同じような形で逆転負けを喫してしまった。7万人もの大観衆を呑み込んだメルボルンのスタジアムはケーヒルの逆転ゴールの瞬間、歓喜の声に覆われて大いに揺れた。

その後の残り時間、テレビに映るオージーサポーターたちは勝利を確信した余裕の表情でタイムアップの笛を待っていた。今日の試合は、点差以上にオーストラリアと日本との実力差を見せつけられた思いがした。時間の経過とともに勝てる予感を失っていくような、そんな内容だった。

試合前、オーストラリア代表監督のピムはさんざん“上から目線”で日本代表についてコメントしてきた様子。挑発的発言の数々は試合の結果で仇を取ってくれるはず、と期待していたのだが、ダメだった。ピムの鼻はますます高く、長くなっているにちがいない。

前回のカタール戦は正直なところ、W杯本戦出場を決めた後だけになんだか「あんな」試合になったのもやむを得ないかなぁ、という気持ちがあった。本来はそんなヌルい見方じゃなく、出場を決めたからこそ強く厳しい試合を求めるべきだったのだろうが……。

しかし今回のオーストラリア戦は明らかに勝ってほしかった。実力拮抗の両チームだけに、ここは日本がアウェイで気持ちよく勝ってグループ首位を決めて、勢いよく最終予選を締めくくりたかったところだった。

だから自分のなかでは、先日のウズベキスタン戦とは違った意味での大一番だった。だから逆転負けは悔しい。久しぶりに代表の試合で負けて悔しい気持ちになった。言わずもがなだが、東京の試合ではちょくちょく味わっている(今季も千葉戦、川崎戦等々ありましたが)、あれに近い感覚だ。

試合後のインタビューでは、矢継ぎ早の質問に答える闘莉王中村憲剛が2人共に悔しさをにじませながら目を潤ませていた。きっと今ちゃん、長友の2人も同じ思いだろう。でもまた、これからだ。約1ヵ月留守をしたクラブに戻って、エネルギッシュな姿を見せてほしい。