主役は北斗!/vs.マリノス

平山は小平での気合いを試合で見せられるのか。サブであろう北斗はどんなタイミングで出てくるのか。そんなことを考えながら第三京浜を走り、港北インターを下りたのが18時少し前。最近得意の滑り込みセーフを覚悟していたが、意外と早く着いた。

今回も車を使う仕事だったので、そのままのスタジアム入りだ。本来は地球エコのためにも、さらに本音を言えば試合前にビールを飲むためにも、電車・バスといった公共交通を使いたいところだが、やむを得ない。

車は競技場1階の公営駐車場に置くことに。ところがなんとまあ、ここがまたやたらとだだっ広い。試合後、ここまで戻る途中できっと迷うはず、と観念した(実際、自分の車を見つけるのが大変だった)。


↑現在「日産スタジアム」という名の横浜国際総合競技場。どうも日産〜と呼ぶ気が起こらないのは自分だけ?

結果は東京移籍後初出場の中村北斗の電撃ゴールが決まり、1−0で東京勝利。いや〜、よかったよかった。急きょ決めた現地観戦だったが、行った甲斐があったというものだ。心配された雨も、降り始めたのはちょうど終了後だったし、実にまあよくできた試合だった。

内容は1週間前の前節・京都戦と同じように得点を奪えずという、ストレスの溜まる展開。だが、この日は京都戦と比べて格段に希望に満ちあふれていた。選手のゴールへ向けて仕掛けていく姿勢がプレーによく現れていたからだ。

その中でも最も変化が見られたのが、クリクリ坊主頭の平山。よく走って、よく飛び跳ねて、よく相手選手の足元にボールを奪いに行った。これまで見た平山のなかでも、一番俊敏で積極的だったかもしれない。常時このぐらいのプレーをしていれば、ゴールネットを揺らす日もそう遠くはないだろう。くれぐれも三日坊主ならぬ1試合坊主なんて言われることのないよう、次節以降も気迫を見せ続けてほしい。

梶山の負傷退場というアクシデントのタイミングで、ついに中村北斗が出てきた。実のところ、名前は知ってはいたが、福岡時代やU-21代表でのプレーは見た記憶がない。国見のときの全国大会はテレビで見ているはずなのだが、それじゃいかんせん古いすぎる。というわけで、どんなプレーをするのか楽しみだった。

するとびっくり、入ってすぐに挨拶代わりとばかり、ドリブルで前線に持ち込み、すぐにシュートを放った。これで僕の北斗への期待は急激に高まった。試合はちょうど停滞ムードになりかかっていた頃だったが、完全に東京の流れに転じ始めた。

そしてそれからわずか数分後、CKから平山が胸に当てて落としたこぼれ球を北斗がゴール! これにはしびれた。ちょうどゴール真うしろに陣取っていたので、左足で撃ったシュートがシュート回転気味に飛んできて、それが左ポストをかすめてゴールインするまでの流れがスロービデオのように見えた。移籍後初出場で初得点とはすばらしい。


↑北斗のゴールでの勝利。ファンはフェンスによじ登ってシャーに歓喜した

試合後のシャーはもちろん北斗。コメントにもあるが、これで東京の一員になったと自他共に認められる存在になった。カボレ、石川、そして梶山が負傷で欠場する東京にとって、いいタイミングでいい選手が現れたもんだ。次節以降はスタメンも十分に考えられる。早くも多くのサポーターに覚えられたチャントに乗って大活躍してほしい。

平山の北斗への“胸当てパス”は、僕はアシストとして認めてあげたい。ここはひとつ、国見高同級生の親友への復活祝いプレゼント、という美しき友情話にしておこうではないか。