満を持して

いよっ、待ってました! トーチュウや「FC東京ホットライン」によると、明日のマリノス戦には満を持して中村北斗がいよいよ試合メンバーに入るという。

先発かサブかはともかくとして、東京移籍後の公式戦で彼の姿を見ること自体、なんだかんだ言って初めてのことである。それだけに、期待も過剰に高まってしまう。

「満を持す」という言葉を『大辞泉』を引いてみると、「弓を十分に引いて構える。転じて、準備を十分にして機会を待つ」と書いてある。

弓の構えを語源とする言葉だったのか。これは知らなかった。なるほど、弓道のあの構えか。わかるわかる。広島の佐藤寿人がゴールを決めた後に片脚立て膝でよくやっているウィリアム・テルみたいなポーズ……あれは洋弓だろうから、ちと違うな。

話が横道にそれてしまった。とにかくユースの日本代表にも選ばれたことのある中村北斗が「満を持して」東京のユニフォームを着てプレーする日がやってきた。北斗今季初出場の事実はまた、平山相太をも満を持した心境にさせたのではないか、と勝手にそう思い込んでいる。

北斗の国見高時代の同輩であり親友の平山が突如としてスキンヘッドにしたのは、きっとマリノス戦に北斗が出場することを予測し、それに刺激を受けての行為にちがいない。北斗が出てくるのなら俺もボケボケしているわけにはいかん、と。

刺激は北斗が出てくることだけではない。相手のマリノスには、やはり国見高同輩の兵藤、さらに1年後輩であり現在売り出し中の渡邊千真がいることもまた、平山の脳内を大いに活性化させる材料になっているものと想像する。

平山にとっても、明日のマリノス戦が今シーズンの実質的な意味でのスタートなのかもしれない。そしてこの試合で東京の勝利へつながるゴールを決めようものなら、しばらく沈滞・停滞気味だった「平山相太物語」再始動の契機となることは間違いない。

明日は仕事のため行けないものと諦めていた。しかし、今日になってキックオフまでには新横浜のスタジアムへ間に合うことが判明。こんなふうに観戦は「満を持して」ではなく、降って湧いたような形で決まった。北斗、平山をはじめ、東京の全選手に大声援を送ってこようと思う。