喜びと悲しみと/vs.大宮

GWというのに仕事がポツポツと入っている。土曜日の大宮戦は滑り込みセーフで、ゴール裏に空いた座席を見つけるやいなやのユルネバだった。

で、ナオが開始早々のゴールを決めてハットトリック。文句なしにメデタシメデタシなのだが、どんな形であれ相手に2点を入れられて迎える試合終盤はハラハラさせられた。

それにしても、毎回それほどドラマチックな終わり方じゃなくていいんだけどなあ。たまにはもっと気楽に勝利の瞬間を迎えたいものだ。

長友もここ数試合の中ではよかったほうだろう。最大の活躍は後半、絶体絶命のシュートを寸前のところでカットしたプレー。終了後の挨拶で歩いてきたときには公約どおり(ただし試合前のアップ時には間に合わなかった)、「ナガトモーッ」と大声で叫んでおいた。

米本は持ち前のキビキビした動きが随所に見られた。こうして実戦を体験するごとに、ますます成長していくに違いない。すばらしい新人が東京に入ってきて、うれしい限りである。

バタバタしながら味スタにたどり着いての観戦を終え、家に帰り風呂からあがって「いやー、今日は勝ってよかった〜」と一息ついた夜11時すぎ、携帯に高校時代の部活仲間Tからメールが入った。「忌野清志郎死去」の知らせだった。ホントか!? エ〜ッ、ということでメールでTに問いただすと、即座に返事が送信されてきた。

〈本当だよ。いまネットのニュースで出たばかりだ。〉

すぐにPCの電源を入れてネットを開くと、ヤフーのニュースで報じられていた。Tの知らせは事実なのであった。
なんということだ。昨夏に再発したあとの様子はとんと知らなかったが、まさか死んでしまうなんて。

清志郎は僕とTにとっては高校の10年先輩。「ぼくの好きな先生」の“タバコを吸いながら”の先生にも習ったし、「トランジスタラジオ」の“授業をさぼって寝ころんでいた屋上”では同じようにそうしていた。だから格別のリアリティをもってRCサクセションを聴いていた。自分にとって清志郎スペシャルでグレートなミュージシャンだったのだ。

ナオのハットでもぎ取った東京勝利の喜びがいっきに遠のき、代わって頭のなかはとても悲しい気持ちに覆われてしまった。

2日たった今、頭のなかには依然として清志郎死去の悲しみが残る。しかし一方では、僕は薄情なのか、明日の広島戦に東京が勝ってほしいという想いがかなり急激に膨らみ始めている。

さて明日も仕事じゃ。終わったらどっかのスポーツバーに転がり込めればいいけどな。