惜しくも鹿狩りならず/vs.鹿島

捕らぬ鹿の皮算用なんぞしていたわけではないのだが、鹿を撃ち落とし、それを肴にクイッと日本酒を一杯……という仮想は妄想に終わってしまった。残念無念。かなりいい線までいったかなと思いつつも、やはり鹿は百戦錬磨の難敵だった。何事をするにもスピーディかつ正確。やはり2年連続Jリーグチャンピオンの座はダテじゃない。

結果は1-2で東京の負け。内容は大きく分ければ開始から前半15分までは鹿島、前半40分以降終了までは東京の時間と言っていいだろう。間違いないのは、開幕から前節・磐田戦までの6試合の中では最もいい内容だったこと。観ていて「おいおい何やってんだい」「うーむつまらん、眠い」というダルい時間はほとんどなかった。

羽生の運動量と気迫はすごかった。赤嶺のゴールをアシストしたあのセンタリングも俊敏な動きでゴールライン際まで突っ込み、そこから赤嶺への期待と信頼を込めた正確なボールだった。勝ちたい気持ちがプレーから強く感じられた。だからだろうか、試合後の羽生はゴール裏あいさつのときも下を向いてうなだれ、泣いているかのようにも見えた。責任感が強いだけに、胸の内には相当に感じるところがあるのだろう。

その羽生のミドルをはじめ、石川、今野、カボレ、大竹などの惜しいシュートの数々には、そのたびのけぞってしまった。そのほとんどがゴールの枠内か、外れていてもほんのわずかという東京らしからぬ?精度の高さ。曽ヶ端は片っ端からこれをセーブしていた。おのれアゴハタめ! それにしても、羽生やナオのシュートはよくポストやバーを叩くなあ……。

ところでカボレだが、後半途中からパッタリ足が止まってしまったのが気になって仕方ない。昨日もそうだが、ここ数日気温が高くなってきたので、早くもバテてしまったのか!? 昨年の夏、蒸し暑い日本の夏がかなり堪えて不調に陥ってしまったカボレ。まだ4月だが、すでに湿度の高い梅雨から夏が心配で仕方ない。今日からでもぜひ、うなぎやニンニクの効いたスタミナ料理を食べ始めていただきたい。

苦心しつつも、まだまだ課題を抱えつつも、今回のこの内容にまでよくなってくれば、今後の上昇は期待できそうだ。次節、ホーム千葉戦では昨シーズン最終節のリベンジも含めてドカンと勝利をもぎ取ろう。今年まだない2得点以上を挙げ、もちろん無失点といきたいものである。

鹿の後は犬ですか。「鹿狩り」という表現はともかくとして、犬の場合は「狩り」と続けるとなんとなくシャレになりませんね。せいぜい「犬退治」程度にしておきましょう(笑)。