苦心のドローとユルネバと/リーグ戦第32節vs.神戸/ホムスタ(2)

後半、少しずつだがリズムを取り戻していった東京だが、なかなかゴールにはつながらない。神戸の選手はまだまだ運動量が落ちず、相変わらず激しくプレスを仕掛けてくる。そしてボールを奪うと巧みにパスを回しつつ攻め上がってくる。この試合に限っては、神戸に我らが“ムービングフットボール”のお株を奪われた形だった。

後半26分、羽生に替わって赤嶺が投入された。それからさらに東京に得点の予感は高まるのだが、なかなか決まらない。時間は刻一刻と過ぎていく。まずいぞ、負けたら完全に白旗だ……そう思っていた後半41分、赤嶺が落としたボールをカボレが左足を振り抜いた。そのボールは相手GK榎本の手に触れながらもネットに突き刺さった。

1-1。ここから5分ものロスタイムまでの攻防はすさまじかった。だがしかしタイムアップでお互いの選手はへとへとに疲れ果て、ピッチに座り込むぐらいの熱戦だった。HUB店内にいっぱいのテレビ観戦者は残念そうな表情でつぎつぎと立ち去っていく。

ずっと立ちっぱなしだった僕はとりあえず空いたイスに座った。そしてそのあと始まるであろう監督インタビューを観てから帰ろう、そう思っていたのだがアナウンサーは次節の展望やら他の試合のことばかり話している。どうやらインタビューはないまま終わるようだ。

それが分かったら、急に腹がへってきた。そうだ、朝からバタバタで何も食べていなかったのだ。ラーメンでも食べて帰るか、とイスから立ったとき、テレビのスピーカーからは神戸ホムスタゴール裏の東京サポによるユルネバの大合唱が聴こえてきた。ドローの試合後のユルネバは珍しい。でもその気持ちはよく分かる。選手はよく頑張った。

まだ2戦、けっして諦めない。気持ちはそれだけだ。何を諦めないのか。優勝?(1%の望み)、 ACL出場権?(五分五分)…… それもそうかもしれないが、何だかそんな順位のことだけじゃないような気がして仕方ない。単純に目の前の一戦に勝つ気持ちを強く持つことを絶対に諦めない。それがこれから先、FC東京というクラブが飛躍するためにとても大事なように思えてならないのだ。

次節の新潟戦はホーム味スタでの今季最終試合。さらにここ数試合生観戦できなかった欲求不満分を合わせて、思いっきり弾けて応援することにしよう。今週は酒を控えて、体調整えなくっちゃいかんな(^^;)