オシムの言葉/天皇杯4回戦vs.仙台/味スタ

「率直に言うと、どちらがJ1か分からなかった。内容では仙台が上回っていた。勝たせてあげたかった」

昨日の天皇杯4回戦、味スタに来ていたオシムさんにこう言われちゃったけど、仕方ないですね、昨日の試合じゃ。千葉監督時代のチルドレン、羽生には「もっとしっかりプレーするように伝えてくれ」と言ってたらしいし、相変わらずサッカーを見る目は確かだ。

オシムさんはビッグクラブよりも弱小クラブを鍛えて強くするのが好きな人だから、昨日はチャレンジ精神を全面に出して走りまくる仙台のプレーの方に惹かれるものがあったのだろうなあ。一方、東京の立ち上がりからシャキッとしない試合運びには嫌悪感を抱いたにちがいないぞ、きっと。1−1で迎えた後半ロスタイム、平山の決勝ゴールでようやくホッとすることができたわけだが、内容はよくなかった。

↑今回の天皇杯優勝にはACL出場権が。狙っちゃいましょう

↑仙台との試合は久しぶり。J1に頑張って戻っておいで!
まあ、天皇杯初戦というのはJ2あるいはJFL、大学といったチームとの対戦となり、相手のモチベーションの高さから難しい試合になってしまうことが多いものだ。まさにその通りに、昨日の試合は選手だけでなく観客も含めてとっても温い空気に包まれていたなあ。応援にしても、天皇杯初戦はやらないのは恒例化しているけど、それが決まり事である必要はないんじゃないか……と思ってしまう。

リーグ戦鹿島戦に勝利して微かな優勝への希望やACL出場権獲得へ向けて緊張感を保ち続けている今、応援をしない理由ってないんじゃない? シオだって試合前に、いつものように「さあ応援頼むよ」とばかりに両手でゴール裏を煽っていた。それに応えない手はないと思った。相手はJ2とはいえ、東京と同じプロクラブ。間違いなく普段通りに声を出していい試合だった。

↑試合後、シオひとりが早足で挨拶に……もしかして怒ってる?

↑2ゴールの平山、サポからのシャーの要求に応じなかったのは「自分ではダメダメだった」からとか


対する仙台の数少ないサポは全開でチャントやコールを繰り返した。それに呼応するかのように選手たちは「打倒J1、めざせ4回戦突破」とばかりによく走り、ボールを追いかけていた。ミヤやユキヒコの元気なプレー姿をひさびさに見れてうれしかった(ただし、試合中の繰り返しのコールはまったくもっていただけない!)。

そんなプレーのチームだけに、冒頭にある「オシムの言葉」もうなずけるものがある。来季はぜひJ1にステージを移してもらい、再び戦いたいものだ。仙台に行って牛タンで一杯やりたいしね(笑)。

それにしてもオシムさんは相変わらず手厳しいなあ。願わくば先日の鹿島戦を観てもらい、その感想を聞いてみたかった。そしたら、なんて言っただろう。素直にはほめてくれないんだろうな、これがまた。本当にサッカーが大好きな、尊敬できるジイさんです。