意義ある勝利/リーグ戦第30節vs.鹿島/味スタ

首位鹿島に3−2で勝った。今シーズンでもトップクラスのうれしい勝利だ。試合終了の笛が鳴った瞬間、頭のなかで大きな仕掛け花火がドドン、ドドドン、ドーン、パンパパーン!!……と鳴ったような気分で、周囲の7〜8人とハイタッチを繰り返した。

下位に相手に時折ポカ負けする今年の鹿島は、正直なところずば抜けた怖さは感じられない。今の東京ならば7月アウェイの時のような完敗(1−4)はないだろうし、それどころか十分に勝てる余地はあると思っていた。
しかし、たとえ勝つとしてもワンチャンスを活かして得点し、その後ひたすら耐えに耐えて守りまくる、といった試合を想定していた。その予想は大間違いで、東京はキックオフから終了まで攻撃的なサッカーを貫いた。

それにしても両チームともに攻守の切り替えが早く、おもしろい試合だった。鹿島のサポーターも「ここで勝ってダンゴから脱出!」とばかりに気合いが入っていたようで、ゴール裏もアウェイ指定席も、チケット完売とのこと。
11時過ぎに味スタへ向かうので南武線西国立駅から乗ると、目の前の席にシマシマのユニを着た鹿サポが座っていた。おいおい勘弁してよ、この辺に住んでるのなら青赤応援しろよな〜、が正直な気持ち。ホームのたびにあの遠い遠いカシマへ行くなんて、考えられまへんがな。
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今日の東京は全員が本当にすばらしかった。
長友はすでに負傷の跡形もなく、左SBから何度も上下動を繰り返すばかりでなく、しっかりゴール前にも詰めていて、2点目をゲットしている(クリアボールを押し込まれた伊野波は悔しかっただろうなあ)。
同じく負傷から完全復帰スタメンの羽生は、中盤の広い範囲をよく動き回り、しつこくプレスを掛け続けた。
今ちゃんも久しぶりに本来の素早くねちっこい守備でボールを奪っていたし、モニのディフェンスもますます危険なぐらいの切れ味を増していた。ほかの選手も、それぞれがそれぞれの役割をフルに発揮していた。

↑自身の1ゴールと残りの2点につながる好クロスを連発! カボレの真価が十二分に発揮された

そんななかでのMVPはカボレ。ヘッドでの1点目は「(石川からのCKが)ニアにくるのは分かって。だから狙っていた」という。長友の2点目、大竹の3点目はともにカボレのクロスからのゴール。彼の持つ卓越したゴール感覚と、高い技術に裏打ちされたキープ力と突破力がふんだんに花開いた結果だろう。だが見逃せないのは、チーム同僚とのコミュニケーション、信頼感が格段にアップしていることだ。シーズン終盤のここにきて、いよいよ完全に東京の一員となった気がした。

↑試合後のインタビューは守護神・塩田選手会長。アニキ結婚おめでとう!
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試合の2日前に城福さんとシオ、それと営業さんからのメールがソシオ宛に送られてきた。さらに試合前日の小平での練習後には見学に集まったサポやファンの前で選手全員が頭を下げて挨拶するなど、とにもかくにもこの鹿島戦への強い気迫は十分に感じられた。3万3000人もの観衆を集め、自チームもとりあえず上位に名を連ねる中で首位鹿島へ勝利。今までにない経験を身につけていく今の東京は、見ていて楽しいし、実に意義のあるシーズンを送っている。
こんな感じで書くと、もう終わっちゃったみたいでいけませんな。この鹿島戦勝利で燃え尽き症候群、ということにならないよう、フロントも選手もサポやファンも今後4試合と天皇杯に全力を傾けていこう。

追伸 田代が決めた鹿島の2点目はクリアミスがきっかけとなっていたけど、今ちゃんが「あれは与えてはいけない余計な失点」と言うとおり、もったいなかったな。もっとも、ゴール裏からだと鹿島の2得点の細かい経緯はよく見えないので、あとで録画していたのを観てからそう思った次第。
もうひとつ、終了まぎわのモニのタッチラインへ向けて転がるボールへの猛ダッシュ→大きくクリア(これがダイレクトでラインを割って、観衆大爆笑)を見て、完全復活を確信した。やるなあモニ。