いよいよW杯最終予選だが・・・

W杯の予選というのは、あまり詳しくない人からは「いつになったら終わるのだろう」と思われているようだ。この印象、わからんではない。僕だってアメリカ大統領選挙には同じような印象を抱いている。

最終予選が始まるといっても、まずはアウェイでのバーレーン戦があるだけだ。よほど早い段階から負け続けたりしない限り、本大会出場の可否が決まるのは来年6月のことだから、長丁場の戦いが続く。

しかし、何事も最初が肝心。初戦からずっこけると、スタッフや選手はもちろん、行方を見守る我々だって精神状態はよろしくない。これまでの経緯から、岡ちゃんに対しての批判の嵐が吹き始まるのは目に見えている。

たしかに批判される要因は数々ある。とくに心配されているのはメンバー選出の不可解さ、招集メンバーの曖昧な起用法、それに明確に見えてこない戦術面だろう。周囲のサッカー好きはみな、「今回はやばいぞ」と口を揃えて言う。

98年フランス大会以来、自国開催を含めてW杯には3大会連続出場の日本。すっかり出場することが当たり前のようになっているが、今回はその確率は30%程度と考えている。五分五分よりも可能性は低いという見方だ。

しかし! 当然のことながら応援はしている。サッカー界最大のイベントであり、大多数のサッカ選手の夢であるW杯に自分の国が出てほしいと考えるのは当たり前のことだろう。クラブ(東京!)>日本代表というのが正直な気持ちだが、W杯に関しては別だ。

子どもの頃、毎週心待ちにしてテレビに釘付けになった「三菱ダイヤモンドサッカー」。外国同士が戦うW杯の試合だったというのに、当時のサッカーファンは心を奪われ、心を躍らせた。

そのスーパーイベントに日本が出場することなど夢の夢だったが、いつの間にか出ることが当然のような空気に変わってしまった。これは明らかに勘違いだ。そんなに甘いもんじゃない。欧州の強豪だって出場を逃すことがしばしばあるのだ。ましてや日本など……。

いよいよ幕を開けるW杯アジア最終予選。今回は、あの“ドーハの悲劇”や“ジョホールバルの歓喜”の頃の熱い気持ちに立ち返ろうじゃないか。「夢の舞台に何としても出てほしい」という願いを強く込め、じっくりと見つめていきたい。