わたしゃ城福さんの味方です

右肩下がりの成績とともに、待ってましたとばかりに城福批判がくすぶりつつある。今度の柏戦に敗れたりすると、さらにそのボルテージは高まることだろう。

でもね、そんなこと言ってたらなんぼ監督が替わっても同じことでしょ。勝てばヨイショ、負ければ首切り要求では、あまりにも目先の結果にとらわれすぎ。一度信じたのなら、とことん応援してあげようよ、と言いたい。

誤りと思われる采配に苦言を呈するのは当たり前。何から何まで目をつぶって妄信的になるというのはあくまでも行き過ぎだ。きちんと試合を見つめ、その成り行き次第ではこの前のようにブーイングする人が出たっていいだろう。私はしませんけどね。

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城福さんの試合後のインタビューは、悔しさいっぱいの表情で、口から出る言葉は画一的でつまらん、腹が立つという意見を聞く。どうやら敗戦後、「自分の責任です」を繰り返し、具体的な理由について語らないところが不評なのだろう。スカパーではインタビュアーの原ヒロミが敗戦直後で悔しさに満ちた城福さんに対し、言葉を選びながら質問するのが気の毒に思えてしまうほどだったと言う。

きっと性格が生真面目で情熱的なのだろう。試合が始まると、ドップリ気持ちが入り込んでしまっているように見える。試合後に声を枯らしたり、紅潮した表情を見るにつけ、「熱いなあ」と思ってしまう。同時に「気持ちが若いなあ」とも。

小平での練習風景やら、試合での采配ぶりやらを見て、城福さんのことがだんだんとわかってきた。当たり前だけど、この人はサッカーが大好きなのだ。縁あって東京の監督になったわけだが、Jリーグクラブの采配をとるのは初めて。まだまだいろいろな面で経験不足であることは言うまでもない。

監督というポジションは好結果を出してナンボ。しかしそうそう勝ってばかりじゃない。負けたときのプレッシャーはかなりのものだ。試合後のインタビュー発言にもそれがよく現れている。オシムのように毅然とした態度で答えられるまでには、まだまだ相当の修業が必要だ。何よりも経験しかない。

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ただしキャリアは不足していても、客観的に見て“ムービングフットボール”と銘打った戦術の方向性に間違いはない。今年になってチームづくりの基盤を築き始め、リーグ戦の出足は好調だったが、そうはうまく右肩上がりの成長が続くわけはなく、現在のような苦境に至っている。

苦しむ過程は新しいチームを作っていくうえでは避けられないこと。あれこれと模索し、課題や問題点を修正していきながら、少しずつ進歩・成長していけばいいじゃないか。そう考えれば、けっして焦ることはないのだ。「勝つ」に加えて「強く、かつ面白い」サッカーができる理想的なチームへ、一歩ずつ一歩ずつ近づいていこう。その意味では、僕は城福監督が今後2〜3年続いてもいいと思っている。

東京はまだまだ優勝を競うほどの段階にはほど遠い。しかし、いつかは(……っていつだ!?(^^;)優勝できるクラブになると信じている。城福さんをはじめ、選手、そして我々サポーターもが、これからの後半戦を通してどれだけ成長していくかを、じっくり見つめていくとともに楽しんでいきたい。