産みの苦しみ? はたまた…/リーグ戦第22節/vs.ヴェルディ/国立

国立から帰宅してからすぐ、「この感情をブログにぶつけてやる!!」と半ば興奮ぎみに書き込もうとPCの前に座ったが、それは無理だった。疲れも手伝ってか、書こうとする意欲が湧いてこないのだ。今にして思えばあのときは、それほどまでに腹立たしく、なおかつ凹んでいたのだろう。

前節のホーム浦和戦では悔しい敗北を喫し、一時はオリンピックへ逃避して東京のサッカーについては考えないように努めた。が、身体に染みついた習慣はそうそう拭いきれるはずもなく、遠い週末が近づいてくるにつれ、気分は浮き足立ってきた。

で、迎えた土曜日。急に入った仕事を終えると、急いで国立へ。千駄ヶ谷門に着いたときにはちょうどユルネバの大合唱だった。足は小走りになる。雨はやむ気配がない。

不覚にもポンチョを忘れてしまったため、帽子と防水性の乏しいナイロン製ウインドブレーカーで我慢することに。ゴール裏中央最上段に近い位置に座席を構え、買う時間もなかったので何も飲まずにさっそく声を出し始めた。
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ああそれなのに、それなのに――試合は1-1の同点からロスタイム、那須にヘッドを決められて屈辱の逆転負けに終わった。終了のホイッスルと同時に東京サポからは大ブーイングが。おそらく今シーズン自軍へ向けられたブーイングでは最大級のものだったであろう。しかしバクスタからは激励?の拍手が……。

ブーイングと拍手。わたしはこのどちらでもなかった。頭のなかは悔しさと怒りで充満していたが、それらを忘れてしまうほどに呆然としていたのも事実だ。ただひたすらにバクスタからゴール裏、そしてメインへと精気なく歩く選手たちを目で追い続けた。ちょうどその頃に雨足が強くなり、悲願のダービー勝利に喜ぶ緑サポで沸く国立を後にした。帰宅の途中からどっと疲れが出て、喉の奥の方がひりひりしてきた。
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6月の中断明け以降、2点以上の得点が入らずに勝てずない試合が続いている。ひさびさに勝った名古屋戦にしたって平山の1ゴールを、不調の名古屋相手に守りきっただけだ。こうなると、城福監督に対する批判の声も当然のごとく上がってきつつある。これはガーロ時代、原ヒロミ時代でも見られた毎度おなじみのパターンだ。

でも、である。不可解な選手交代や、攻め手を欠いて得点につながらない場面に業を煮やした形での批判はあれども、ヒステリックな監督交代論は一部の気短な輩を除いては見られない。これはどういうことか。言うまでもなく、城福さんの目指すサッカーに対する信頼感の表れなのだろう。

勝てない。悔しい。順位も下がっていく。目先の一勝も正直なところほしい。しかし――J2降格はごめんだけど――今の戦術や方向性は間違っていないし、少しずつではあるが、昨年まではなかったいい展開が出てきているのも事実。1年後、2年後にはきっと実を結ぶことを期待しよう……という「気長」なサポーターが多いようだ。

いつだってそうだけど、サポーター稼業は一喜一憂の繰り返し。試合のたび、勝てばニッコニコ、負ければ目ん玉つり上げ眉間にシワか、あるいは泣きっ面。自分もそうだが、実に単純なものである。

だが、現在の東京サポは1試合ごとの喜怒哀楽だけでなく、チームが生まれ変わっていく過程での楽しみ方を身につけようとしている。これでいいのだ。