SAYONARA国立でカッコよく勝てず/第10節 vs.名古屋

前節のアウェイ・マリノス戦は吉祥寺クロスバーでのテレビ観戦だったが、平山のシュートを相手GKが弾き、それを東が押し込むや、うしろの座席の男性2人から手が伸びてきてスタジアムさながらにハイタッチを求められた。
すぐ隣に座っていた男性はマリノス応援者のようで、うつ向いていた。さぞかしニガニガしかっただろうなぁ。
後半はシステムを2度変え、アグレッシブなディフェンスで1点を守りきっての勝利にはしびれた。
マッシモのサッカーが少しずつ浸透し始めたことを実感するとともに、過密日程が続くその後の試合にも大いに期待が膨らんだ。




そんな思いで迎えた名古屋戦は長年にわたり足を運び、親しんできた国立競技場での最終試合ということで、なんとしても勝ちたかった。
前日の夕方、たまたま仕事で通りかかった渋谷区内の山手通りと国道246との交差点付近でバモバスを見て、なんの根拠もないが「これはまさに吉兆」と思い込んでいた。
しかし、物事そうそう思うようにはいかず、0-1で敗北。

珍しいことに、マッシモは前節のマリノス戦から先発メンバーを変更しなかった。
平山と千真の2トップもそのまま。これには「とにかく1ゴールを決めてほしい」という千真への願いが込められているように感じてしまうのは甘い見方だろうか。
河野はまだ負傷が癒えていないのか。羽生さんもどこか不調なのだろうか。幸野はまだ先発までではないという判断なのか。
マッシモの真意はよくわからないが、過密日程にもかかわらず1人も替えてこなかったのは意外だった。

試合後の徳永のコメントにもあるように、どうもキックオフ直後から東京の選手の動きは重かった。
相手も同じ条件なのだから理由にしたくはないが、中2日の影響なのだろうか。
一方の名古屋は5連敗とかで、これ以上負けられないという強い気迫が感じられた。
ケネディをはじめ故障選手が多いようだが、この試合に限って言えば攻守ともにメンバーなりにきっちりとこなしていたように見える。

当然ながら名古屋についてもきっちりとスカウティングをしたうえで臨んできたのだろうが、予想以上の激しいプレスや玉田が下がり気味でプレーするなどの展開は想定外だったのかもしれない。
さらに言うならマッシモトーキョーも試合を重ね、勝ち星を重ねていくうち、当然ながら相手から研究されているということもあるだろう。
それにしても、前半の4連続CKのときにはもう少し工夫はできなかったものだろうか。う〜〜ん……。

と、いつになく悔しさを引きずっているのは、たぶん最後の“俺たちのコクリツ”で勝ちたい気持ちが強かったから。
勝った名古屋のゴール裏が「俺たちーのコクリツ〜♪」と歌っていたそうだが、耳に入らなくてよかった。
ラグビーやらサッカーやらで30数年にわたり通ってきたこのスタジアムは、自分にとって唯一無二の存在。
観戦の友である焼きそばやカップ麺、熱燗のワンカップホットワインの味とともに、永遠に忘れることはない。


ほとんど観客がいなくなったスタンドから新宿方向に視線を向けると、いつものように高層ビル群が見える。
この眺めが好きだったが、これで見納めだと思うとちょいとばかり寂しいものがある。