危機感不足注意報発令/vs.富山

後半開始からのテレビ観戦だったが、すでにスコアは0-1。
前半の内容は知らなかったが、何分かしておおよそ見当がついた。
(やばいよ、これじゃまた……)と直感し、あっさりその通りの結果に終わってしまった。
同じ気持ちで見ていた人は多いことだろう。
はるばる現地アウェイで応援する人たちの声はよく聞こえていた。いつもながら頭が下がる。

今季、東京に勝った相手はどこも大喜びするが、富山も同じで選手も観客も優勝したかのような大騒ぎだった。
この光景がこちらにとって見慣れつつある。
それもそのはず、先月末の北九州戦からひと月の間に3回も見ているのだから。

つまりその頃から調子が下降線をたどり始めたということか。
東京が夏に不調に陥り、連敗街道に入るのはなかば恒例のこと。
選手は年々替わるわけだし、夏場が苦手の原因ははっきりと分からない。
単純に暑さによる疲労の蓄積だけで不調を片づけるわけにはいかない。
ほかのチームも同じ気象条件の下でサッカーしているのだ。

そもそもここにきてルーカス、坂田、永里と前線で得点に絡むタイプの選手ばかりを補強してきた。
ナオも怪我から戻ってきたし、達也だっている。
ところが思惑とは裏腹にゴールはなかなか奪えない。

昨日の富山戦でも先制されて、守られて、攻めきれず、決められずでハイおしまい、の典型的なJ2負けパターン。
シュート数は東京が10、富山が7と大差なく、いかに東京の試合内容がヘボいものであったかが分かる。

J2オールスターなどといわれるほどの厚い選手層でありながら、なんでこうなるのか。
素人目にも問題点は見えるし、考え直してもらいたい部分がいくつもある。
それでも一口で言えば1点も取れずに負けてしまったのだから、今ちゃんのコメントにあるように、東京には「まだそこまでの力がない」に尽きる。

ちょうど昨年の今頃、東京はもがいていた。
それでもまだその時点では降格なんてと思っていた。
結果として降格は現実になり、危機感をもつことが圧倒的に不足していただけに、ハンマーで頭を叩かれた思いを味わった。
そんな経験から、今シーズンは自分なりに危機感を失わない一年にしようと肝に銘じているつもりだ。

だけど人間がヌルいもんで、ちょっといい試合が続いて首位に立ったりしたもんで、知らず知らずのうちに危機感が薄れているのだろう。
第3コーナーから後続を引き離すどころか失速してピタリと並ばれ、さらに後ろから多数が追い込んでくる激戦に。
1年でJ1復帰への道のりは山あり谷ありとは思っていたが、やはり一筋縄じゃない。
昨日の試合後はあらためて自分自身に「危機感忘れんなよ」とミッションを課した次第。


さて、今ちゃんが「誰にも渡したくないです」と力強く言っていた首位の座だが、勝ち点は同じでも得失点差で運よく確保できた。
しかしベビー誕生の今ちゃん主将に対し、“ゆりかごパフォーマンス”を贈るゴールシーンをつくれなかったチームメイトは罪の意識を感じるべきだろう。
もっとも本人は「そんなのやられたらやだなあ」と思っていたに違いないけど(笑)。

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【2011 J2 第26節/富山/8,663人】 富山1-0東京 [得点者/前半34分黒部(富)]