井の頭公園の大道芸人


↑赤地に白い水玉模様の大道芸人氏。トークも軽妙でユニーク

↑ワ〜〜〜ッ、風船がどんどん口の中へ!


おとといの祝日、正午すぎの井の頭公園には人だかりができていたのが遠巻きながら見えた。野次馬根性旺盛なほうなので小走りにこれをのぞきに行くと、人の輪の中心にいたのは水玉模様のピエロ服を着た大道芸人だった。

ちょうど始まったのは、ヘビのように細長いゴム風船をこれから呑み込もうとしているところだった。上を向いてスルスルスルと口の中に風船が収まり、短くなっていく。最後にはとうとう消えてしまった。ここで大きな拍手! ブラボー!!

どうやら風船を使った芸を得意技としているようだ。大柄でコミカルな体格なので肺活量は十分なのか、つぎからつぎへと風船を膨らませ、それを途中で結びつけてはいろいろなものを作っていく。見事な手さばきである。


子どもたちから大歓声がわき起こったのはディズニーソングに乗ってミッキーマウスが出来上がったとき。顔だけじゃなくて手足も、しっぽまでついている。すごいなあ。自分も含めたいいおじさんたちも、うれしそうに大拍手だ。

終わりまぎわにはピンクのでハート形に作り、そこに青い風船をふくらませて鳥を2匹のせた。チルチルミチル、メーテルリンクの幸せの青い鳥、である。

「いま、世の中ではいろんな困ったことが起こってます。でもみんなはきっと幸せになれるんだ。そう信じていれば、必ず幸せはやってくるんだよ」
と、大道芸人氏は風船を手に子どもたちに語りかけていた。

日曜の井の頭公園を歩くのは久しぶりだったが、思いがけず心に訴えてくるい素敵なパフォーマンスを観ることができた。
そう思いつつも、差し出された帽子には大道芸人氏がみんなに期待を込めて訴えた「紙のもの」じゃなく、“チャリン”と音がするものだけしか入れなかったけど(ゴメンナサイ!)。