秋・春制はツライのことよ

今日は所属するヘラブナ釣りクラブ「へぼの会」の1月例会だった。場所は千葉県成田市にある谷養魚場という管理釣り場管理釣り場は釣り堀の大型版。放流されたヘラを狙う釣りだが、冬のこの時期は簡単には釣れない。今日のような風が強く、気温の上がらない真冬の1日には肉体的にも精神的にもよろしくない。でも釣り人はアホなので、こんな日も懲りずに釣りに出かけるのだ。

ヘラブナ釣りは1日座りっきりでエサを頻繁に打ち続けるスタイル。これでもかこれでもかと魚を寄せようと試みるが、人間の身勝手な欲求に厳寒期の魚が応えてくれるほど自然界の摂理とは生易しいものではない。釣れないまま2時間も経過すると、釣り場の空気はかなりドヨ〜ンと重苦しさが漂い始めるのが常である。

会長のTさんと並んで釣っていたが、2人共開始して3時間経ってまだオデコ。Tさんは68歳、釣りのキャリアは優に35年を超える大ベテラン。僕だって自覚はないが22年となる。ただし2人共にへぼのままだ。ちっとも上手くならない。釣る気がないわけではないのだが、単純に熱烈な向上心とセンスに欠けるのだろう。


そんなわけでいっこうに釣れないとなると、ヒマに任せて口のほうが活発になってくる。Tさんはさいたま市在住の浦和レッズファンなので、とかくJリーグサッカー談義が始まる。この選手がどーの、あの監督がどーの、と話し始めたらキリがない。もう一人、やはり68歳で津田沼在住ジェフ千葉ファンのWさんも交じってくると、かなり白熱する。TさんもWさんもトシのわりには若く、毎試合とは言わないがホーム試合はスタジアムに通っているほどのフリークだ。

そこで話題は、日本サッカー協会会長・犬飼氏が提唱する例の「Jリーグ秋開幕・春閉幕」プランの件に変わった。「今日みたいにメチャクチャ寒い日、ヘラブナ釣りで1匹も釣れないで終わるのと、応援チームの試合を見に行って負けるのとじゃ、どっちがツライ?」と、あまり意味がなく思いつきでものを言ったとしか思えない質問をWさんが投げかけてきた。

待ってましたとばかりにTさんが「真冬にやるようになったら埼スタには行かないね、寒くてたまらん。サッカーはテレビでも観られるからな。やっぱり釣りのほうがツライな」と言う。Wさんも「俺もそうだな、ただでさえ寒いのにオデコは避けたい。虚しくなるばかりだよ。サッカーよりツライ」と、そのあたりは3人共意見が一致。

しかし考えてみれば、僕はこのお二方より20歳ほど若い。スタジアムに通う回数も全然多いし、しかもゴール裏立ち見だ。今日のように北風ビープーの日には寒さが身にこたえるだろうな。晴れの日はまだいい。昨日のように冷たい雨でも降ろうものなら、それはもう身体に毒であることは間違いない。昔、学生時代には真冬のラグビー観戦は苦じゃなかったのだが……。

う〜ん、賛否両論いろいろあるのを承知で言えば、やっぱり秋・春制はかなりツラそうだ。東京だからいいものを、札幌・山形・新潟のクラブ関係者が反対を唱えるのは十分にうなずけてしまう。練習グラウンド・ホームスタジアムの改修が必要だし、観客の試合会場までの交通アクセスも考えなければならない。協会・Jリーグは資金面でのサポートも考慮すべきだろう。いずれにしても、まだまだ議論を重ねていくべき問題である。

ワタシは……トシをとるとともにすっかり寒がりになってしまったので、感情論で言わせてもらえば正直なところ春・秋制には反対っ!