ようこそ中村北斗、ありがとう荻晃太

東京のオフィシャルサイトにアビスパ福岡中村北斗選手の移籍決定が発表された。正直なところ、この選手についての知識は乏しい。記憶に残りやすい名前、国見高校の時に平山と同級生で活躍しまくっていたことと、U-23代表に名を連ねていたこと、ざっとこんなところである。

最近になって知ったのは、彼はボランチと左右両サイドバックをこなすということ。ということは東京の場合、レギュラーポジション争いの激戦区だ。それを承知で飛び込んでくるというのだから、やる気マンマンなことは間違いなし。実に頼もしいかぎりである。

「まずはJ1のスピードになれて、1日でも早くピッチに立って、ファンの皆様に自分のプレーを観てもらいたいと思っています」というコメントもさわやかでいいですなあ。平山も高校時代の仲間の加入で公私ともども活気づけばいいけど。そんなこんなで楽しみはふくらむ。
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同じくオフィシャルサイトに発表されたのはGK荻晃太選手の期限付き移籍期間満了のお知らせだ。神戸からレンタルで、東京とは昨シーズン1年だけの在籍だったが、なんだかとても寂しさを感じずにはいられない(他の選手ももちろんそうだが)。

その理由は彼の真面目さとすがすがしい姿勢にあったのだと思う。小平グラウンドの練習に足を運ぶとまずGK陣のほうに目がいってしまうのだが、浜野コーチ、それに他のGKメンバーとともに、いつもいつも練習を繰り返していた。その中でも長身でヒョロッと細く、体育系っぽくない荻のひたむきな姿は印象に残ったものだ。

シオという圧倒的な存在があるため、試合では常にサブ。ベンチ裏でウォームアップを繰り返すのが荻にとっての公式試合だった。

唯一先発出場した6月のナビスコ予選、国立でのヴェルディ戦。4−2で勝利し予選突破を決めた試合だ。前半、廣山とフッキにゴールを許したが、その後平山が大爆発してハットトリックを決め、逆転勝ちを収めた。後半は締めてかかった荻は、フッキやレアンドロの猛攻をチャージして勝利に貢献した。

この試合後、例によって大はしゃぎでノリノリのゴール裏が「オーギ、トーキョッ!」とコールすると荻は両手を高く上げて応え、しまいにはシャーまで。笑顔いっぱいでうれしそう。このとききっと、荻は東京の一員になったと実感したにちがいない。

荻のコメント。「FC東京に来て、『東京』という街のイメージそのものも良い意味で変わりました。選手にとって、これほどたくさん応援してくれる人がいることはとても幸せなことで、なかなか他のチームでは味わうことは出来ない触れ合いをこのチームでさせてもらいました……これからもぜひ個人として応援していただければ嬉しく思います」

はい、間違いなく応援していきますよ。小平での一生懸命な練習姿、ファンサービス時の笑顔、それとやさしいまなざしで書かれたオフィシャルサイト内の青赤日記はずっと忘れないからね。甲府のJ1昇格めざして精いっぱい頑張ってもらいたい。