アマラオファイナルマッチ/味スタ

 雨の朝。今日の午後は味スタだ。これっていつかあった光景だな……って、昨日ですよ昨日! ただし今日はどこかお気楽気分。そう、“KING OF TOKYO”アマラオのピッチ上で走る姿を見られる最後の日なのだ。サポの間では開催までの経緯等々について批判的な意見も飛び交っていたけど、今回に限って言えばそんな考えはヨッコラショと横に置いておこうよ、と思っていた。文句なしにうれしいイベントである。そりゃもう、行かないではいられません。レッツゴー・味スタ!(古くさい表現だ)

 飛田給を下りると雨はもうあがり、西の空は明るくなってきていた。キックオフの40分前に着くと、すでにメインスタンドは満員札止めの状態。ホーム側のみが開放されたゴール裏もかなり埋まっていた。みんなやっぱりアマラオが大好きなんだな。自然と口元がゆるんでしまう。空席を見つけてに座り、周りを見わたすと、多くの人が懐かしのユニやマフラーを身につけている。やはり背番号11が目立つ。いいなあ。どうもヘソ曲がりなわたしゃ、とうとう11番のユニを持たぬままに終わってしまった。移籍が決まってから急いでユーロスポーツに駆け込んだが売り切れで、大いに後悔したっけ。

 試合は東京OB側が堀池、岡元、カブ、梅山、ペルー小池、加賀見、フミさん、まだまだいるが悪意なしに省略……あ、原ヒロミもいた。対するJリーグOBチームはラモスに小島、澤登、前園、相馬、小倉、山口等々、よく集まった。こうした趣向の引退試合を現場で観戦するのは初めてだったが、いやあ楽しい楽しい。公式戦ではあり得ない穏やかな気持ちで「アマラオアマラオ!」を中心に、かつてさんざん叫んだチャントを口にするのは格別の思いだった。

 アマはしっかり1ゴール決めたし、後半のおしまい10分間は原さんとの黄金の2トップも実現して観客は大喜び。ラモスも今日はとってもいい奴(!?)に見えた。試合後のセレモニーではアマが涙ながらにあいさつ。もちろんたくさんのユーモアを交えながらで、途中では「アイシテル〜♪ アマが東京にいる限り〜♪」と歌声まで披露し、相変わらずのサービス精神旺盛ぶり。クライマックスはゴール裏での“シャー”で、アマラオをメインに、参加選手、さらに会場全体で大合唱を何度も何度も繰り返し、鳴りやまぬ拍手の中、この日の主役はサポーターの視界から消えていった。


 東京の試合に通うようになったとき、いつもアマが東京の最前線にいた。そして足で、頭でゴールネットを揺らし、たくさんの興奮と喜びを与えてくれた。超人的運動量の攻守にわたる献身プレーはもちろん、人なつっこい笑顔と人柄に魅了されてスタジアムに足を運び続けた。だからこそその後、東京にハマッたのかもしれない。何年たってもやっぱりアマラオは特別な選手だ。

ありがとう、アマラオ。“KING OF TOKYO”の称号は永遠にあなたのものです。再び味スタで逢える日を夢見て――。