リーグ戦/vs川崎フロンターレ/味スタ

先週土曜日の“多摩川クラシコ”から4日過ぎたが、それからというもの、大竹のファンタスティックな高速ループがまぶたにチラついてならない。リアルタイムで見たときの興奮がよみがえってくる。今朝もそうだったけど、1日2回は録画しておいたあの試合の、あの場面をニヤつきながら眺めてしまう。
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味スタでの観戦は当然早くから決めていたのだが、この日は夜6時20分までに「どうしてもどうしてもどうしても」下北沢へ行かなければならない用事ができてしまった。試合終了の瞬間に立ち合わずにスタジアムを後にするなんて前代未聞のことだ。なんてこったい・・・でも仕方ないのだなぁ、トホホ。
ケータイで何時に飛田給を出発すればその時間に着くかを調べると、17時37分発の各停に乗れば間に合うことが分かった。味スタから駅まで歩く時間を考えたら、17時25分には出なくてはならない。最大限遅くても後半20分までだろう。

後半15分、2−2の同点。イヤなことに、そろそろ退出時間が気になりだした。
(大抵こういうときって、ジュニーニョが一瞬のうちに鋭いドリブルでゴール前に切れ込み、いとも容易くシュートが決まり、それが決勝点になって終わるんだ)
例によって、そんなネガティブな展開が頭に浮かんだ。その頃だった。
選手交代。栗沢アウト、大竹イン。きたぞ、きたきた! 2ちゃんねるなら「キターーーーーーー(例の顔文字わからん)!!!!」ってとこだろう。東京の若き風雲児(古臭い表現だ)・大竹洋平の登場である。

♪オーレー オレオレオレ おーーたーけー♪

チャントに乗って大竹はピッチに入る。そして直後、ファーストタッチはゴール正面PA外でパスを受け、すぐさま梶山に流す。梶山のトラップ時に相手DFにカットされかかったが、PA内ゴール右斜め付近に移動した大竹はそのボールを巧みに奪って軽くワントラップし、2〜3人のDFに包まれながらも落ち着いて左足を振った。GK川嶋が前に飛び出しかかったのを瞬時に見定め、立ち姿勢のまま力半分のトーキック。ナイーブに突かれたボールは速からず遅からず、ほんのわずか弧を描いてゴールネットに突き刺さった。狙い通りの高速ループシュート。これで3−2、勝ち越しだ。
♪トーキョララララ……ラララララララ イェ〜〜イ♪
“お調子者”の東京サポたちはお決まりの凱歌、東京ブギウギを歌い叫んだ。気がつくとちょうど後半20分。まだ続く大竹のチャントを背中に聞きながら席を立った。
胸に興奮の思いを大きく膨らませたまま、飛田給駅へ向かう。バーミヤンを過ぎた辺りでスタジアムからの大歓声が耳に入ってきた。なんだろう。やはり川崎に追いつかれたか? いや、そんなことないだろう。でも……。電車に乗ってすぐ、ケータイに登録してある速報サイトで試合経過をチェック。液晶画面に表れた文字は[得点 80分 今野泰幸]。それから10数分。ちょうど明大前の駅で井の頭線を待つとき再びサイトを開くと、今度は[試合終了 FC東京4−2川崎]の表示に変わっていた。
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東京にとっては2005年以来のリーグ戦3連勝だそうだ。失点が多い、負傷欠場者が多い、実力上位チームと戦っていない――といった不安要素や課題はまだ数々ある。それはそうとしても、この日の試合は内容・結果ともに、実に実にうれしかった。